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WRCイタリア・ポスト会見「この日に勝てたことが自分には特別」

©Hyundai Motorsport

WRCラリーイタリアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。昨年中盤から低迷が続いた末に、待望のWRC2勝目をマークしたヌービル。師と仰ぐ故フィリップ・ブガルスキの誕生日に果たした快挙への思いを語った。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツN)
1位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツN)
2位:ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ミーカ・アンティラ=MA(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
3位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
3位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
ミシェル・ナンダン=MN、ヒュンダイ・モータースポーツN代表

Q:
キャリア2度目のWRC優勝、おめでとうティエリー。2勝目まで時間が空いたが、この週末は勢いがあった。いまの気分は。
TN:
1勝目の時とは違う。もちろんうれしいが、強豪の一人がリタイアしていた。走行順の上でチャンスはあったとは思うが、この週末は違っていた。僕はサルディニアがとても得意だし、序盤からいい手応えを感じていたしトラブルもなかった。そして、やっと勝つ事ができた。

Q:
昨年はかなり苦難のシーズンだったので、ティエリーらしさが戻ってくるのを待っていた。今季も序盤は苦戦したが、流れが変わってきたようにも見える。それについてはどうか。
TN:
まず、今回はトラブルがなかったし、すべて順調だった。一方で、これまでにないほど感触がよかったので、ドライブがしやすかった。自信も高まったしペースノートもうまくいった。すべてがスムースに回った。だから、ヤリ‐マティにもっとプレッシャーをかけるためにプッシュできると感じることができたんだ。

Q:
ポーランドでも同じようなパフォーマンスを見る事ができるか。この勢いを維持できると思うか。
TN:
そうだね。いま選手権では7位にいるから、この後のイベントでも助かるが、同じフィーリングを維持しなくてはならない。マシンの動きも同様にね。そうすれば、ポーランドでもフィンランドでも、リザルトのことに集中できる。

Q:
ステージのフィニッシュは感動的だった。ファンクラブや家族も集まっていたが、この勝利を師と仰ぐフィリップ・ブガルスキに捧げたいと語っていた。とても大きな意味を持つのでは。
TN:
そうだね、今日はフィリップの誕生日だった。僕の恩師の一人で、成長するためにとても後押ししてくれた。時間を費やして、早くWRCに出られるようなチャンスを作ってくれた。だから、この勝利は彼に捧げたいと思った。6月12日という日に勝つ事ができたのは、とても特別だ。それが果たせてとてもうれしいけど、この勝利は2週間前に亡くなったジャン‐ピエール・モンドロンのためでもある。僕のキャリアの中でも、最も支えてくれた一人だ。彼にもこの勝利を捧げたい。

Q:
ニコラ、優勝争いに戻ってきてくれてうれしいよ。ポディウムの頂点に戻って満足していると思うが、今の気分は。
NG:
もちろん、ここにいられてとてもうれしいよ。ポディウムの頂点に戻ってくるまでに、かなり時間がかかった。今季の序盤は小さなミスもたくさんあったが、もう今はそれを忘れたいね。また笑顔になれるし、今後のイベントのことに専念できる。

Q:
16秒のリードをつけて最終日を迎えた気分は。ミスをしてはならないというプレッシャーは感じていたか。
NG:
正直、あまり感じなかった。ステージはかなり短かったし、かなりナローだったから、大きな差をつけるのが難しいタイプのステージだったと思う。夜はゆっくり眠れたし、かなり自信もあった。ティエリーと勝つために、自分の仕事に専念していたよ。

VOLKSWAGEN

VOLKSWAGEN

Q:
ヤリマティ、この週末は素晴らしいバトルだった。今日の朝、何を思っていたか。2位キープでポイントを獲得することを考えていたか。
J-ML:
正直、ヘイデンがリタイアした状況のことが浮かんでいた。マニュファクチャラーズポイント獲得のためにいい位置につけていたし、チームのためにも重要なことだったから、そのことを考え始めた。絶対にこのイベントをフィニッシュしてポイントを獲得しなくてはならないことは分かっていた。とても重要な局面だからね。それに、ティエリーは土曜日の午後もすごく強かったし、金曜日の走りもよかった。自分は追いつけなかったし、ここ数戦で事態を悪くしていたことが続いていたから、リスクを負わずにキープしていこうと思った。最終日を迎える時は、自分のリズムをキープするけどアタックはしないと考えていた。ニコラも言ったように、短いステージだったしナローだったから、差をつけるのは難しい。16秒あって、ここ数日の展開、マシンの性能も拮抗している……。そうだね、難しいよ。

Q:
今回のリザルトは自信になるか。ラリー前には、まだ選手権のチャンスについても触れていたが、今回は高ポイントが獲得できた。ポーランドで勝つのは可能だと感じているか。
J-ML:
もちろん。浮き沈みが続いていたけど、前回トラブルがなかったラリーは3月のメキシコだったと思うから、ずいぶん前だ。今回のリザルトは自信になるし、ポーランドではもう少し高めていけるよ。

Q:
ポーランドは超ハイスピードだが。
J-ML:
高速イベントは大好きだ。5速、6速のまま走っていけるような道をドライビングするのは好きだ。ポーランドは自分にはこれまであまりいいイベントではなかった。去年は林に突っ込んでしまったけど、もうそんな経験はしたくないから、今回はいいイベントにしたいね。

Q:
見ていて素晴らしいバトルだった。攻防戦が続いていたが、自分たちもとてもエキサイティングだったのではないか。
MA:
もちろん、マシンの中でもエキサイティングだったし、戦いを観ているスペクテイターにとってもね。昨日の午後、サービスに行った時は、自分たちはパーフェクトだと思っていた。スライドさせ過ぎず、クリーンなラインを走っていても、10秒遅かった。あの時点で、これではダメだと分かった。前に追いつくためには、より速く走ってギャップを詰めるしかないからね。モンティ・ラーノでは行けると思ったけど、追いつけなかったから、これまでだと思った。今回は勝てるラリーではないのだと悟った。

Q:
違うアプローチだと感じていたか。今日は確実にフィニッシュする守りの走りに徹しようとしていたか。
MA:
いや、自分たちはいつものドライビングをするべきだと思っていた。16秒は離れ過ぎているし、午前の段階で彼らの方が速かったからね。いずれにしても、2位はとてもハッピーだし、言ったように乱調子が続いていたけど、これで調子をつかんだと思うので、この先のラリーを楽しみにしているよ。

VOLKSWAGEN

VOLKSWAGEN

Q:
セブ、3位おめでとう。過酷な週末だったが、ドライバーズ選手権ではリードを広げた。一番迫っているドライバーでも、それほど差は小さくない。この点ではいい週末だったのでは。
SO:
そうだね、ここまで6戦続けてリードを広げているからよかったと思う。この週末で可能な限りの結果を収められたし、それに、自分もジュリアンも、チームも、いいフィーリングだ。このコンディションの中では、勝ちを狙うのは難しい。このポディウムだって、必死で戦っていたんだ。最終的にはかなり余裕ができたように見えるかもしれないね。選手権ライバルが昨日トラブルに遭ったから、4度目のタイトルに向けて大きな前進と言える。

Q:
パワーステージをじっくり見せてもらったが、フィニッシュの前で少しミスをしていたのにベストタイムだった。
SO:
たぶん、ここのコースレコードだったと思う。リバースに入れてパワーステージ勝利を収めるのは、難しいと思うよ! 轍ができていてとても難しいコンディションだったのでマシンを曲げることができなかったから、ベストタイムだったのは驚いた。幸い、素早くリバースに入れる事ができたから、たぶん2秒くらいのロスで済んだ。こういうパワーステージはあまり好きじゃないね。

Q:
いつ飛行機に飛び乗らなくてはならないかと心配していたが、大丈夫だったようだ。
SO:
そうだね、この週末は奥さんに感謝しなくちゃいけないね。週末の間に産まれなくてよかった。これで、家に戻ってその瞬間を一緒に待つ事ができるよ。でも、もちろん自分にとってはポイントを獲得することもチームのためには大切だ。ティエリーのことも祝福したい。この週末は本当に強かったと思う。自分にはチャンスはなかったが、ヤリ‐マティとのバトルを見ていた。彼はつけ入る隙をまったく与えなかったね。

Q:
今年はルートの変更があったが、コ・ドライバーの視点からイベント全体についてどう思うか。
JI:
いいイベントだった。パフォーマンスには満足している。調整が必要な部分も確かにある。たぶん、安全面の点かな。でも、クルーにとっては、このイベントは2013年、14年、15年と格段に進歩している。観客のポイントやスタッフなど、もっとレベルを上げる事もできると思うが、方向性はいいことは間違いない。ステージにも、街にも、パワーステージでもサービスパークでもたくさんの人がいたのは、素晴らしいことだ。

Hyundai Motorsport

Hyundai Motorsport

Q:
ミシェル、ヒュンダイの勝利おめでとう。素晴らしい優勝だった。
MN:
チームにとってよかった。特にポルトガルの後だからね。勝ててうれしいし、それをティエリーが果たしてくれたのはよかった。ラリーを通じて非常にいい戦いをしたと思うし、チームの動きもとてもよかった。全員がラリーに集中し、ミスをしなかった。

Q:
ティエリーが勝って、ケビン・アッブリングは初めてWRCでステージウィンをマークした。特にケビンは厳しいラリーが続いていたのでよかった。
MN:
全くだ。このコンディションの中、たくさんトラブルに遭ってケビンは大変だった。木曜日はプロペラシャフト、そしてパンク、それからトランスミッションが破損したのだから、厳しいラリーだった。それでもいいタイムを出して、昨日はベストタイムもマークした。今日もいいタイムだった。彼にとっても、モチベーションを維持できると思う。

Q:
ダニ・ソルドは安定してポイントを獲得しており、この週末もいい内容だった。
MN:
そうだね、ダニは自分の限界をよく理解しているし、マシンを壊さずに持ち帰ってくる。いつでも強さを維持しているドライバーだ。それに、たいていいい順位につけている。

Q:
最後にヘイデン・パッドンは金曜日にアクシデントに遭った。かなり衝撃を受けているようだが、ポーランドではどのようにこの流れを変えていくのか。
MN:
彼とは話をして、自分のミスだったことを認めていたが、こういうことはあり得るものだ。今はページをめくって、ポーランドで活躍しなくてはならない。うまくいくと思うよ。



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