7月2日、東京都の三菱自動車本社ショールームにて、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの優勝報告会が行なわれた。
出席者は、岡本金典EVビジネス本部 本部長、増岡浩チーム監督兼ドライバー、乙竹嘉彦EV要素研究部 エキスパートの3名。
「今回のパイクスピークでは、今後の研究に関する非常に有効なデータとノウハウを収集できました。また、若手エンジニアたちが大きく育ったと感じております。これからもお客様に高い環境性能と走る喜び、たしかな信頼をお届けして参ります」と、岡本本部長。クラス優勝という成績だけではなく、パイクスピークに参戦することで得られたものの大きさについて語った。
チーム監督兼ドライバーという重要な役割を務めた増岡浩は「念願の3年目で目標のEVクラス優勝を成し遂げることができました。応援してくださった皆さんに報いることができてうれしく思います。3年間の挑戦で得たものを次世代の量産車に結びつけるのが大きな仕事です。お客様目線で、天候や路面など様々な条件のもとでも確実に走ることのできるクルマを作っていくことができると思います。今回のレースで学んだことを開発の糧にすべく、また邁進してまいります」と充実した表情で振り返った。
車両開発を担当した乙竹エキスパートは「当初の予定以上のものは得られたと考えています。今年の課題としては、路面コンディションが荒れていたことを想定し切れていなかったことですね。コースの状況が変化した時にも対応できるサスペンションなどを決めていくことができていたら、総合優勝との差である2.5秒も巻き返せたのではとも考えています」と語った。
また、気になる来年以降の参戦については、現段階では未定とのこと。パイクスピークのプロジェクトは当初から3カ年計画であり、目標としていた優勝を獲得したこと、および制御面でのノウハウを蓄積することができたためと、岡本部長は説明している。
ただし、先に伝えたニュースのとおり、アウトランダーPHEVによる、アジアクロスカントリーラリーへの参戦サポートなど、EVやPHEVの技術が試されるカテゴリーについては今後も参戦を考える意向とのこと。
今後の三菱自動車の挑戦に期待したい。