6月29日(日)、第92回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム決勝レースが、コロラド州コロラドスプリングス、パイクスピークを舞台に行われた。
TEAM APEV with モンスタースポーツでは、優勝を果たした昨年の経験をもとに、より一層マシンを進化させるべく、日本国内で様々なテストを行い確かな感触を得ていた。しかしながら、実際のコースでは若干違和感のあるものとなり、練習走行を通じて様々なセッティングにトライし決勝日を迎えた。
天候は朝から雲ひとつない快晴。気温もグングン上昇し、練習走行では経験しないほどの暑さになった。E-RUNNER パイクスピークスペシャルを駆るモンスターこと田嶋伸博は、四輪車部門4番手の出走。二輪車部門で走行中断があったため、想定よりも遅い時間帯のスタートとなった。暑さがチームの想定を超えたことが心配されたが、やはり、これが影響を与えることになった。
田嶋はスタートダッシュは抑えめに、タイヤのトラクションを最大限に活かした走りに徹し、丁寧にコーナーを繋ぎながら山頂を目指した。コース途中から温度上昇に起因すると思われる制御が入りスピードダウンする症状が発生。しかし、無事フィニッシュラインを通過した。結果的に昨年のタイム若干上まわることはできたが、想定していたタイムには届かず。残念ながら進歩を数字で示すことはできなかった。
エレクトリック・モディファイド・ディビジョンでは、三菱自動車チームのグレッグ・トレーシー選手が1位、同チーム増岡浩選手が2位となった。一般公道を舞台とするパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへ向けて、三菱自動車という大手自動車メーカーのチームが、総力を挙げて電気自動車レーシングカーを進化させてきたことを賞賛するとともに、彼らの努力に敬意を払いたい。今後も、こうした過酷なレースへの参加を通じて電気自動車の技術が磨かれていくのだろう。
また、今大会、四輪車部門の総合2位から4位を電気自動車が占める結果になった。高出力のガソリンエンジン車が跋扈してきた同大会において、電気自動車の優位性と新たな可能性を示せたことは非常に喜ばしく、その一翼を当チームが担うことができたことは誇らしい。
TEAM APEV with モンスタースポーツは、2015年に開催される第93回大会、そして、2016年に100周年を迎える第94回大会へ向けて新たなスタートを切る。目標はもちろん、電気自動車初の総合優勝だ。
【ドライバー モンスター田嶋 コメント】
「今年は悔しさとうれしさが半々のレースになりました。勝てなかったことはもちろん悔しいです。しかし、一方で、私たちの活動が刺激になって、大手自動車メーカーの三菱自動車が本気で勝ちにきた。そして、テスラやトヨタ、ホンダも電気自動車部門に参戦してきている。今後、この流れがますます加速し、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが環境問題の最先端をいくレースに発展していったらうれしいです。この過酷なレースで優勝した三菱自動車チームを賞賛したいと思います。おめでとう! そして最後に、私たちの活動に賛同し、ご支援いただいたスポンサーの皆様、応援してくれた方々に心から感謝いたします」