世界ラリークロス選手権第4戦は6月27−29日、フィンランドのコウボラで開催された。1万5000人の観客を集めたフィンランド戦には24台のスーパーカーがエントリーし盛況となった。
選手権屈指のテクニカルコースとして知られるコウボラ。29日のファイナルは豪雨となり、路面は極めてスリッパリーなコンディションと、状況はさらに困難を極めた。セミファイナルに進出した12台のうち、走り切ったのは7台という波乱を制したのは、米国で活躍する人気ドライバー、タナー・ファウスト(フォルクスワーゲン・ポロRX)だった。
VWマルクルンドからワイルドカードで参戦したファウストは、ファイナルのスタートでロケットスタートを決めると、唯一マシンのフロントを泥から守り切って走行を重ねる。スリッパリーな路面でも見事にマシンをコントロールしたファウストは、世界ラリークロス戦での初勝利を決めた。
「本当にチャレンジングなコースだし、雨が降ったことで信じられないくらい難しくなった。フロントに泥を被らなければ行く先も見えるが、泥だらけではコースオフも仕方がない」
2位にはアンドレアス・バックラッド、3位には選手権リーダーのレイニス・ニッティス(いずれもフォード・フィエスタST)が続き、フォード・オルスベルグが2−3フィニッシュ。ニッティスは選手権リードを維持し、バックラッドも2位に浮上した。
母国戦で2位に入り選手権2位につけていたペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)は、セミファイナルで前でスピンしたマシンにヒットし、インタークーラーなど複数個所にダメージを負った。チーム陣は懸命に修復に挑んだが、わずか2分間に合わずファイナルをスタートすることができなかった。
「ファイナルにスタートするための修復時間を適正に与えてもらえなかったことが信じられない。僕は傘を差しながらスタートラインでメカニックがマシンを持ってくるのを待っていたんだ。でもメカニックたちは持ち込むことを許してもらえなかった。このことが、タイトル争いの行方に影響しないことを願うとしか言えない」
ソルベルグは、この第4戦を終えて、ニッティスに16ポイント差、バックラッドには2ポイント差の3位につけている。
世界ラリークロス選手権は連週開催。次戦第5戦はスウェーデンのホヘで7月5−6日に行われる。