WRC第7戦ラリーポーランドは競技最終日。SS21〜24の計4SS、49.18kmが決戦の舞台となる。最終ステージとなるSS24はボーナスポイントが獲得できるパワーステージ。サービスを挟まずに4SSを走行するため、ひとつのトラブルが命取りとなる可能性もある。
前日、僚友アンドレアス・ミケルセンに格の違いを見せつけたセバスチャン・オジエは1分1秒8のリード。残り距離を考えれば無理をする必要はなく、パワーステージに焦点を合わせ、すでにクルージングモードだ。そして最終のパワーステージではきっちりトップタイムでまとめ、自身21度めとなる勝利を獲得した。優勝の25点とボーナスポイント3点を得て、チャンピオンシップでの優位を揺るぎないものにしている。
また、総合2番手のミケルセンも確実に表彰台に登壇するべく、リスクを負わない走り。パワーステージではオジエに次ぐ2番手タイムで2位表彰台を獲得。ボーナス2点を追加し、その成長ぶりを示してみせた。
3位に入ったティエリー・ヌービルは背後のミッコ・ヒルボネン(フォード)との差をうまくコントロールし、ヒュンダイに今季2度めの表彰台をもたらした。
一方、3連続ベストタイムの激走を見せたのはフォルクスワーゲンのヤリ‐マティ・ラトバラだ。3日目を終えた段階で総合3番手のヌービルから25.1秒差の総合6番手につけたラトバラは、前を行くユホ・ハンニネン(ヒュンダイ)をSS21で下し、総合5番手に浮上。さらにその前を行くヒルボネンの背後に迫る勢いだったが、0.7秒差で軍配はヒルボネンに上がった。パワーステージでは3番手タイムを獲得したラトバラだが「ところどころ慎重になりすぎた」と語るように、ほんの僅かな差で4位浮上はならなかった。
オジエは選手権ポイントを166に伸ばし、2番手のラトバラに50点ものリード。また、ランキングの3番手にはミケルセンが浮上、ドライバーズランキングの上位もフォルクスワーゲン勢が占めるかたちとなった。
これで2014年のWRCは前半戦を終了。早めの夏休みを経て、次戦は7月31日にスタートする第8戦フィンランドとなる。前半戦はフォルクスワーゲン勢の圧倒的な速さが目立ったが、ライバルチームもこのままでは終われない。後半戦での巻き返しがあるのか、それともワンサイドゲームが続くのか。ある程度の答えが見える1カ月後を楽しみに待ちたい。
【ラリーポーランド暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン)2:34:02.0
2:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン)+1:07.7
3:T.ヌービル(ヒュンダイ)+2:13.5
4:M.ヒルボネン(フォード)+2:32.4
5:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン)+2:33.1
6:J.ハンニネン(ヒュンダイ)+2:49.9
7:K.ミーク(シトロエン) +4:27.9
8:H.パッドン(ヒュンダイ) +4:32.1
9:H.ソルベルグ(フォード) +4:59.0
10:M.プロコップ(フォード)+6:11.3