WRC第8戦フィンランドは7月30日、デイ3の7SSを行ない、前日首位に立ったクリス・ミーク(シトロエン)が2番手のヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン)との差を41秒に広げ、今シーズン2勝目に王手をかけた。
この日はいきなりラリー最長、33kmの名物ステージ、オウニンポウヤで幕を開ける。ただし、今年のルートは1994年以来となる逆走。すべてのドライバーにとって新しいチャレンジだ。ラリー前の週間予報と違い、朝の天候は晴れ。路面は完全ドライで砂利が多く残り、これが優勝争いに影響を与えることになった。まず首位を追いたい4番手スタートのラトバラが15分19秒7という好タイムをマーク。路面状況が有利な後続ドライバーもこれを上まわれない。しかし、注目の首位ミークのタイムはなんと15分06秒3。8番手というスタート順をフルに活かし、ラトバラを13.4秒引き離すスーパータイムでその差を31.5秒にまで離して見せた。3番手争いは、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)がリズムに乗れずにタイムを落とし、アンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン)が浮上。僅差でクレイグ・ブリーン(シトロエン)、ヌービル、ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)が続く団子状態となった。
続くSS14を前には、さらに上位争いに大きく影響する出来事が起こった。ロードセクションですでに優勝圏外から去っている先頭スタートのセバスチャン・オジエがブレーキトラブルでストップ。修復に時間を擁して先頭スタートがミケルセンになったのだ。SS14、そのミケルセンは滑り易い路面でコースオフ。3番手から7番手まで順位を落としてしまう。ヌービルの不振も変わらず、これでブリーンが3番手に浮上した。
「今朝はマシンも自分のドライビングもこれ以上ないくらい充実していた」というミークはこのSS14を含め午前中のステージすべてでラトバラを上まわり、さらに首位を盤石なものにする。ラトバラは「ここまで離されたらもう追いつけない」とギブアップ宣言をするしかなかった。
ミークは午後のステージでも、オウニンポウヤのリピートとなるSS17、続くSS18でもベストタイムをマークしてさらに差を広げた。3番手争いはブリーンが再浮上のヌービル、パッドンのヒュンダイ勢を引き離す展開に。さらに前日はトラブルで後退していたタナックも好タイムを並べ、この日終盤にヒュンダイ勢をかわし、ブリーンを追う展開となっている。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | クリス・ミーク | シトロエンDS3 WRC | 2:22:00.8 |
2 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +41.0 |
3 | クレイグ・ブリーン | シトロエンDS3 WRC | +1:45.4 |
4 | オット・タナク | フォード・フィエスタRS WRC | +1:54.5 |
5 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20 WRC | +2:00.9 |
6 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20 WRC | +2:03.6 |
7 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタRS WRC | +2:06.0 |
8 | アンドレアス・ミケルセン | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +2:24.0 |
9 | エサペッカ・ラッピ | シュコダ・ファビアR5 | +4:23.6 |
10 | テーム・スニネン | シュコダ・ファビアR5 | +5:10.5 |