ラリーフィンランド、デイ3終了後の各ドライバーからのコメント。首位のクリス・ミークに必死で追いすがるも、高速グラベルでの走行順のディスアドバンテージに阻まれたヤリ‐マティ・ラトバラは、選手権ポイントへのプレッシャーもなく、好調と走行順の両方を得たミーク相手に追い上げるチャンスが皆無であることを嘆いた。*()内は総合順位の前日比
[アブダビ・トタルWRT]
シトロエンDS3 WRC
「昨日はWRCのなかで最高の1日だった。でも、そうは長く続かなかった。今日はそれを上まわったからね! 今朝は1時間早く起きて、オウニンポウヤのレッキでのビデオを見た。世界で最高のステージだと思うし、最も象徴的でもあると思う。だから、ここで特別な走りをしたいと固く誓った。ヤリ‐マティはギャップを詰めようと挑んでくると分かっていたから、本当にハードにプッシュした。最後には、これ以上無理だというほどだと感じた。でも、あまりにギャップが大きかったことにも驚いたよ! 午後は雨でグリップがよくなったのでさらに速く走れたが、1回目の走行ほどエキサイティングではなかった。これで、優勝に向かっていい位置につけられたと思う。明日はリードを維持するために集中を切らさず、ここ2日間でやってきた仕事を仕上げなくてはならない」
クレイグ・ブリーン/総合3位(↑)
「ラリーのスタート前は、ポディウム争いをすることになるなんて、考えてもみなかったよ! オウニンポウヤの1回目の走行では、たくさんのことを学んだ。SS14は、ロレンツォ・ベルテッリがクラッシュしてキャンセルになったので、全部は走れなかった。それでも、中盤では3番手に上がれた。この位置なので、2ループ目は少し余計にプレッシャーを感じたよ。予想していたとおり、午前中に走り切れなかったステージでは少しタイムをロスした。でも、SS20でオィット・タナックから順位を守れて、うれしかったよ。明日、僕が限界を超えたりはしないまでもポジションを守ろうとすることは、彼も分かっている。今日も、自分の内容には本当にうれしく思っているよ」
ハリ・アル‐カシミ/総合19位(↑)
「滑り出しは難しく、SS13は自分たちが走り始めた後にキャンセルになった。午後は、天気の影響でステージはとてもスリッパリーな場所もできたが、いい流れができた。同時に、クリスとクレイグのパフォーマンスのことばかり考えていた。彼らはレースを非常にエンジョイしており、見事な順位で今日を折り返してくれたことをうれしく思う。明日はチームのために、最高のリザルトを獲得できればと思う」
[フォルクスワーゲン・モータースポーツ]
フォルクスワーゲン・ポロR WRC
ヤリ‐マティ・ラトバラ/総合2位(=)
「昨日同様、今日は2位を守ることが精いっぱいだった。クリス・ミークは素晴らしいパフォーマンスを披露したし、走行順にも恵まれていた。このふたつが重なっては、僕らにチャンスはない。だからと言って挑まなかったわけではないが、オウニンポウヤの1回目の走行を終えた時点で、選手権のために確実にポイントを重ねることに専念するしかないことが明らかになった。さらに、マニュファクチャラーズ選手権ポイントのことも考えなくてはならない。この場を借りて、ステージで声援を送ってくれたファンのみんなに感謝を伝えたい。ミーカと僕にとって、本当に大きな力になっている。特に、母国だからね。今はパワーステージにかけるしかない」
「雰囲気は素晴らしくコースはとても面白いが、この週末は僕に見せ場はない。昨日のミスがあり、最初のステージで僕らはブレーキに手こずっていた。残念ながら修復に手間取り、タイムペナルティを受けることになった。このことで、アンドレアスには悔しい思いをさせてしまった。代わりに彼が砂利掃きをしなくてはならなくなったからね。もし、彼の気持ちが理解できる者がいるとすれば、それは僕しかいない。日曜日は、マニュファクチャラーズ選手権のために少しでもポイントを獲得することが最優先だ。もちろん、パワーステージでは3ポイントのためにプッシュする。それ以外に僕らにできることはない」
[DMACK WRT]
フォード・フィエスタRS WRC
オィット・タナック/総合4位(↑)
「心底マキシマムで行った。今は、いい手応えを感じている。もちろん、明日は最高の走りを見せる。トラブルがなければ、ポディウム圏内浮上は難しいことではないはずだ。今は4位にいるけどね」
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20 WRC
「全体としては、まずまずの1日だった。できる限りを尽くしたし、ヘイデンといいバトルが展開できた。午前のループではあまり感触がよくなかったが、1日を通してマシンを調整していった。午後はもっと自信つけたかったが、簡単ではなかった。それでも接戦になっているし、差は小さいから、ポディウムを視野に入れることもそう難しいことじゃない。自分の仕事に集中を続けて、明日の午前中はトラブルのない走りにしたい」
ヘイデン・パッドン/総合6位(=)
「今朝はより自信を感じながらスタートした。午前のループは、間違いなく昨日よりもよかった。マシンのバランスを変更したり、サスペンションのセッティングを調整して、より自分好みになった。もちろん、走行順が2番目だったので、午前中のステージは砂利を掃かなくてはならなかったのは大変だった。午後にいい戦いができるようにするつもりだったが、うまく速さをつかむことができなかった。これ以上ないほど速く走ったのに、なぜタイムをロスしたのか、問題の箇所を見つけるのは難しい。チームと話し合い、解決先を見つけるよう務める。でも、ネガティブになんてなれない。この素晴らしいフィンランドのステージをWRカーで走るという、最高のスペシャルな機会に恵まれているんだからね」
[Mスポーツ]
フォード・フィエスタRS WRC
「今日は本当にハードに攻めた。フィンランドでは絶対にあきらめない。何が起きるか分からないからね。こんなに接戦になっているなんて、信じられないよ。今は7位だが、ポディウムまでの差は比較的小さい。それでも明日は距離が少ないから、プッシュを続けて、プレッシャーを与え続けなくてはならない。決してあきらめない」
エリック・カミリ/SS14でラリーリタイア
「左コーナーへ進入するペースノートの速度が高すぎた。ディッチに入り、林に入って転倒した。大きなクラッシュだったが、ふたりとも無事だったのが何よりだ。今後に向けて速くなれるポテンシャルを見せられた。フィンランドとスウェーデンは、フランス人にとって最も難しいラリーだ。特に初めて挑むフランス人にとってはね。だから、この週末、より経験豊富なドライバーに挑むことができたのは、ポジティブなことだ。思っていたような終わり方ではなかったが、悪い週末でもなかった。次はターマックが続くので楽しみにしている。ドイツは1年でもお気に入りのイベントで2回参戦経験があるから、いい走りをしたいとモチベーションは高まっているよ」
[フォルクスワーゲン・モータースポーツII]
フォルクスワーゲン・ポロR WRC
「砂利掃き役としての初日は、特に難しかった。勉強になったね。一方で、自分のパフォーマンスには満足していいとも思っている。本当にプッシュしたし、1回わずかにスリップした以外は、トラブルなく1日を過ごした。それでも、残念ながら必死の努力は結果につながらなかった。自分たちのタイムは、遅めのR5マシン程度だった。でも、明日はまだベストを尽くす。ポジションを上げることは期待できそうにはないけどね」
[ヒュンダイ・モータースポーツN]
ヒュンダイi20 WRC
「今日も、最新スペックのi20 WRCに順応することに徹した。速さを上げることと慎重さを維持することにベストバランスを見つけなくてはならなかった。午前起きたように、先行車がオフするのを見ると、慎重に行かなくてはとあらためて思い知らされる。4WDマシンで初めてフィンランドで走るのだから、すぐに本来のペースをつかむのは現実的には難しい。このマシンを実戦で走るのも初めてだから、ステージごとに変更を行いながら、より理解を深めている。午後のループではパドルシフトが効かなくなるトラブルもあった。ミスファイアもあり、それに対応しなくてはならなかった。目標はトップ10に変わりはなく、明日の4SSでそれを目指したい」