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WRCイタリア:ラリーレポート

 

序盤に快走を見せたヒュンダイ

 WRC第6戦ラリーイタリア・サルディニアは、地中海に浮かぶサルディニア島が舞台。この地域のイベントらしくツイスティでラフなステージは、ドライになれば出走順がタイムに大きく影響することになる。
 ラリーは6月5日木曜日に南部のカリアリのスーパーSSで幕を開けた。1.30kmのショートステージを制したのは、Mスポーツ(フォード)のミッコ・ヒルボネン。0.2秒差の2位にはフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエとヒュンダイのティエリー・ヌービルが続く。
 金曜日から本格的なステージ走行がスタートし、序盤に快走を見せたのは後方から出走するヒュンダイ勢だった。SS2でヌービル、SS3ではユホ・ハンニネンがベストをたたき出し、SS4を終えて首位にヌービル、2位ハンニネンが1-2体制を築く。3位もプライベート・フォードのマルティン・プロコップが続き、スタート順のアドバンテージを活かしたクルーが上位を占めた。
 SS3からSS4へと至るロードセクションでは、ヒルボネンのフィエスタRS WRCから出火。ヒルボネンは初日でラリー続行を諦めることになった。SS5でも波乱は続き、首位のヌービルがサスペンションを壊して後退。さらにハンニネンも転倒を喫してしまう。ヒュンダイ勢の自滅により、首位に立ったのはフォルクスワーゲンのヤリ-マティ・ラトバラ。2.2秒差でシトロエンのマッズ・オストベルグが追う。先頭でグラベル掃除を強いられたオジエは16.6秒差の総合6番手と遅れながらも、「このポジションではある程度のタイムロスも仕方がない。午後は様子を見るよ」と、余裕の表情を見せている。
 その言葉どおり、ラインのでき上がった午後のリピートステージでは、ハンデのなくなったオジエがSS8で今回初のベストを奪取、2位に順位を上げた。首位のラトバラもこの日最終のSS9でベストを獲得し、終わってみればフォルクスワーゲンの1-2となった。3位はオストベルグ、その4.0秒差にはフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセンがつけた。

ラトバラ、痛恨のミスで首位陥落

 ラリー3日目、オープニングのSS10は首位のラトバラがオジエに6.3秒のベスト。ふたりの差は28.7秒にまで広がった。ところが、SS11でラトバラのポロR WRCにオーバーヒートの症状が出始め、エンジンがセイフティモードに入るトラブルが発生。このステージだけでベストのオジエに、11秒もタイムを削られてしまった。さらにSS12でもラトバラはエンジンストールを喫し、59.13kmを走行する今回最長のSS13ではミスからリヤホイールを岩にヒットさせてしまう。ラトバラはステージ中でのタイヤ交換を余儀なくされ、2分以上をロス。これでオジエが首位に浮上し、総合2番手にオストベルグ、ラトバラは総合3番手までポジションを落とすこととなった。
 2番手のオストベルグに対して1分40秒2ものアドバンテージを握ったオジエは、最終日に残された4つのステージでクルージングを選択。逆に3番手のラトバラはオストベルグを狙い、猛アタックを繰り広げるが、9.7秒届かず3位のまま。オジエは残されたステージも完璧なペースで走り切り、第4戦ポルトガル以来となるシーズン4勝目を獲得した。ドライバーズ選手権ではラトバラとの差を33点にまで広げている。

「最高の気分だね! 正直、金曜日の先頭スタートはかなりキツかった。かなりハードにプッシュしたよ」と、オジエは笑顔で振り返った。
 4位はミケルセン、5位はフォード勢最上位のエルフィン・エバンス。6位にはプライベーター最上位となったプロコップが入っている。

【WRC第6戦イタリア:最終順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 4:02:37.8
2:M.オストベルグ(シトロエン) +1:23.1
3:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン) +1:32.8
4:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン) +2:39.3
5:E.エバンス(フォード) +4:41.8
6:M.プロコップ(フォード) +6:05.3
7:H.ソルベルグ(フォード) +7:15.8
8:R.クビカ(フォード) +12:19.0
9:L.ベルテッリ(フォード/RRC) +15:22.1
10:K.アル‐カシミ(シトロエン) +16:49.3



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