WRCイタリアは競技3日目を終了。この日は2本のSSを2度走行する計4本とステージ数は少なめながら、SS11/13は今季これまで最長の59.13kmという長距離SSとなっている。大差がつきやすいため、今回のラリーの山場と言えるだろう。
首位はフォルクスワーゲンのヤリ‐マティ・ラトバラ、2番手はチームメイトのセバスチャン・オジエ。スタート時点でふたりの差は22.4秒となっていたが、オープニングのSS10ではラトバラがオジエに6.3秒差をつけるベストタイムで先制。28.7秒までその差を広げることに成功する。
しかし続くSS11、ラトバラはオーバーヒート症状からセーフモードに入ってしまうトラブルに見舞われる。その後温度は下がり走行を続けたものの、渾身のアタックをかけたオジエにはおよばず、11秒差でベストを持っていかれることになってしまった。これでふたりの差は17.7秒。
一方、3番手争いを繰り広げるシトロエンのマッズ・オストベルグとフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセンは、オストベルグがSS10、11ともにミケルセンを上まわり、4秒だった差を約10秒まで広げることに成功した。
サービスをはさんで午後のSS12、ここでは総合6番手を走行中だったフォードのロバート・クビカが右前輪を失いデイリタイア。さらにミケルセンも岩にヒット、ダンパーを壊してしまい、勝負権を失うこととなってしまった。
SS12のベストはオジエ。ラトバラは途中でエンジンをストールさせてしまい、5.4秒差の2番手タイムとなった。ふたりの差は12.3秒まで縮まった。続くSS13、59.13kmのSSが決戦の舞台だ。勝負への緊張感が高まっていく。
ところがここでラトバラは痛恨のミスを喫してしまう。後輪が轍を外れて岩にヒットし、リヤホイールを破損。ステージ中のタイヤ交換作業を余儀なくされてしまい、ベストタイムのオジエに対しなんと2分13秒以上の遅れをとってしまった。
これでラトバラはオストベルグに2番手の座を明け渡し、総合3番手に転落。オジエはラトバラの脱落により、一気に1分40秒2という大量リードを手にしてラリー最終日を迎えることとなった。
競技最終日は8.98〜14.88kmというショートステージが4本。SS14は日本時間の14じ39分スタート予定となっている。
【SS13後暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 3:30:15.8
2:M.オストベルグ(シトロエン) +1:40.2
3:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン) +2:01.5
4:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン) +2:37.8
5:E.エバンス(フォード) +4:24.3
6:M.プロコップ(フォード) +5:26.1
7:H.ソルベルグ(フォード) +6:09.6
8:R.クビカ(フォード) +12:03.7
9:L.ベルテッリ(フォード/RRC) +13:08.1
10:K.アル‐カシミ(シトロエン) +15:05.2