今季の世界ラリークロス選手権は、ラトビア、ドイツ、アルゼンチンの3戦を残すのみとなった。シリーズ2連覇中のペター・ソルベルグは、前戦スペインで選手権首位の座を再びマティアス・エクストロームに明け渡し、この残る3戦での決戦に向けて、例年以上の気合いを見せていた。
その初戦、ラトビアを前にペターは
「ここから、3戦の選手権が始まるようなもの。それが、ラトビアから始まる」と語った。
「そのラトビアが待ち切れないよ。前戦(スペイン、バルセロナ)は、思うような結果が残せなかった。自分の本来の形でパフォーマンスが出せるようになるまでは、気持ちが落ち着かない。だから、次のラトビアは、いつも以上に固い決意で、優勝に挑んでいく」
4回の予選の合計による中間リザルトでも選手権ポイントが獲得できる世界RXでは、セミファイナル、ファイナルを含めた3戦18レースすべてが、選手権争いに関わってくる。
「ここから先は、どれだけ勝てるかで決まる。ここまでは、賢明に、戦略的に戦ってきたが、今は残り3戦でどれだけ勝って、どれだけポイントを重ねられるかだ。大きなリスクを負ってでもとは言わないが、でも守りの姿勢で挑む時間は終わった。今は、勝つことだけを目指していく」
今週開催されるラトビア戦は、世界RX初開催のため、世界シリーズのレギュラードライバーにとっても、コース攻略を一から始めなくてはならない。
「僕は、コースを2回走ってから全開で攻めるラリードライバーとしての時期が長かったから、僕にとっては有利なんじゃないかな。サーキットでの経験が長いと、より細かいところに目が行ってしまうからね。本当にそうかは分からないけど、僕はここまで、新しいコースを初めて走る時は、いつもいい内容になっている」
その世界RX第10戦ラトビアは、ビケルニエキ・ナショナルスポーツベースで開幕。10月1日はQ1、Q2の走行が行われたが、シトロエンDS3のペターは、Q1が5位、続くQ2は、エクストローム(アウディS1)へのヒットと無理な追い越しにより、失格裁定を受けてしまった。Q4までの合計順位から上位12名がセミファイナルに進出できるため、ソルベルグのセミファイナル進出は厳しい状況となった。
エクストロームとの接触の前に、ハンセンからヒットを受けてスライドしていたソルベルグはこの裁定に不満を見せながらも、自身のツイッターでは「ファンのみんなに、心から謝りたい・・・世界RXのタイトルは今日でほぼ決まってしまったかも知れない」とメッセージを発信した。
このQ1、Q2では、ティミー・ハンセン(プジョー208)、ヨハン・クリストファーセン(フォルクスワーゲン・ポロ)がそれぞれトップタイムをマーク。両レースでいずれも2番手タイムをマークしたアンドレアス・バックラッド(フォード・フォーカスRS)が総合順位でトップに立っている。エクストロームは現時点で、総合8位につけている。