WRC第11戦はスペイン・カタルーニャの南部、海岸リゾートのサロウを拠点に開催。カレンダーで唯一、ミックス路面で開催される独特のイベントだ。初日の金曜日はほとんどがグラベル、残りの2日間はターマックとなるため、チームは金曜日の夜、通常よりも時間が長く設定されたサービスで、マシンのスペックを変更しなくてはならない。グラベルステージを走り切ったドライバーたちは、翌日は多良語な地域の高速スムーズでリズミカルな道にすぐに対応しなくてはならない。もし気温が高くなれば、タイヤの摩耗をも慎重にコントロールしなくてはならなくなる。
このイベントは1957年に初めて開催され、1991年にWRC初開催。当時は、ジョレット・デ・マールのコスタブラバが拠点だった。2002年にサロウに移りターマックイベントとして開催されていたが、選手権に新たな側面を加えるため、2010年からミックス路面のラリーとなった。
今季は3戦を残して、タイトル争いは佳境を迎えている。セバスチャン・オジエとジュリアン・イングラシアは、ドライバーズ、コ・ドライバーズ、そしてフォルクスワーゲン・モータースポーツのマニュファクチャラーズタイトル4連覇をすべて決めるためには、2位以上のフィニッシュが求められる。WRC2は、フィンランドからポイント対象のノミネートを登録したテーム・スニネンがタイトル争いを続けており、シリーズリーダーのエルフィン・エバンスを押さえるためには、残るノミネートイベントすべてでポイントを獲得しなくてはならない。ジュニア選手権タイトルは、前戦でシモーヌ・テンペスティーニが確定。2WDマシンで戦うWRC3は、4月のアルゼンチンから参戦がないミシェル・ファブレがテンペスティーニに対して可能性を残しているが、テンペスティーニが参戦しないスペインで、マキシマムポイントを獲得しなくてはならない。
■2016年のルート2016年のルートは、ほとんどが例年を変わらず、新しいステージは2本のみ。いずれも土曜日に設定される。イベントは木曜日の夜、おなじみとなったバルセロナ、モンジュイックの市街地ステージで開幕。金曜日はほとんどがグラベルで、一部に舗装セクションが入るのみ。この日は、日中サービスは設定されないため、速さと慎重さのバランス取りが求められる。この日夜のサービスでマシンの仕様を舗装に変更。土曜日は、2013年以来の設定となる新ステージ2本、VilaplanaとAlcover-Capafontsが登場する。さらに、サロウのシーフロントに設定されるステージを走行。日曜日はいずれもリピートステージの2本のみ。最終12.10kmのステージがパワーステージに指定されている。
■ラリーデータ
開催日:2016年10月13日‐10月16日
本拠地:サロウ
総走行距離: 1,378.31 km
総ステージ走行距離:321.08 km (SS比:23.30%)
総SS数:19
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
■歴史
・初開催は1957年。1975年からヨーロッパ選手権戦となり、WRC戦となったのは1991年から。
・セバスチャン・ローブが、2005年から2012年まで連勝を果たしている。