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全日本ラリー新城:勝田範彦が3年ぶりにタイトル奪還

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全日本ラリー選手権第9戦「新城ラリー2016」は11月6日(日)に競技最終日となるデイ2の走行が行われ、初日首位の勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が今季4勝目を獲得するとともに、今シーズンのシリーズチャンピオンを決めた。

2日間合わせて5万人以上の来場者を集めた新城ラリーは、今年も奥三河の地元グルメや出展ブース、TOYOTA GAZOO Racing PARKなどの多彩なイベントが開かれ、秋晴れの新城総合公園に多くのモータースポーツファンが来場した。

ポイントリーダーの奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)が初日のSS2で姿を消したJN6クラス。逆転チャンピオンの可能性が高い勝田/石田は、SS12でテールをヒットさせヒヤリとさせるシーンもあったが、サービスでマシンを修復したあとのSS13でベストタイムを奪うなどこの日も快調なペースでチャンピオン獲得に向けひた走る。最終セクションでは2位の新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が差を詰めて来るものの、トータル22.5秒差で勝田が3年ぶりのチャンピオンを獲得した。
「本当に嬉しい。クルマがすごく良い状態で、タイヤも路面にマッチしていました。今シーズンは3連勝したあとに失速してしまいましたが、そこから這い上がることができました。今日は最後までクルマ大丈夫かなとか、壊れないかなとかナーバスになってしまう時もありましたが、チームがしっかりとサービスで整備してくれたおかげで、最後まで走り切ることができました」と喜びを語る勝田。コ・ドライバーの石田は、最上位クラスでは初のタイトル獲得となった。

JN6クラスと同様に最終戦までチャンピオン争いがもつれ込んだJN2クラスは、初日首位の小濱勇希/馬場雄一(スバルBRZ)が5本のSSでベストタイムをマークし、初日と同様にデイポイントトップを獲得する走りで今季4勝目を獲得。だが、明治もしっかりと2位をキープしてフィニッシュしたため、有効ポイント差で明治がドライバーズチャンピオンを獲得した。また、コ・ドライバーズチャンピオンは、フルポイントで優勝を獲得した小濱のコ・ドライバーの馬場が獲得する結果となった。

同門対決となったJN1クラスは、デイ1と同様に鈴木尚/山岸典将と須藤浩志/新井正和の2台のスイフトスポーツが、この日も僅差の勝負を展開。午前のセクションを終えて須藤がその差を3.8秒に詰めるが、午後のセクションは鈴木が踏ん張り最終SSを前にその差を5.4秒に拡大。初日のSS1から息詰まる展開が続くなか、最終SSで須藤は渾身のアタックでベストタイムを奪う快走。対する鈴木も、フロントをヒットさせフロントまわりに激しく損傷を受けながらの渾身のアタックを敢行し、わずか1秒差で逃げ切りに成功。鈴木が今シーズンのドライバーズチャンピオンを獲得した。「最初から最後までずっと辛いラリーでした。なぜ勝てたのか、理由は分かりません。最終戦で師匠(須藤)とこんな戦いができて本当に良かったです。嬉しくて涙が止まりません」という鈴木が自身初のチャンピオンを獲得した。敗れた須藤も、『鈴木の成長を感じた。僕も最終SSを走り切ってゴール会場に帰ってくるまで涙が止まらなかった。悔し涙なのか、それともこういう戦いができたことの涙なのか、自分でも分からない。チャンピオンを獲れなかったことは悔しいけれど、鈴木とこういう戦いができて本当に良かったと思う。鈴木、おめでとう、ありがとう!」と、セレモニアルフィニッシュで心境を語った。なお、コ・ドライバーズチャンピオンは須藤のパートナーである新井正和が獲得している。

デイ1首位の石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)を山口清司/島津雅彦(トヨタ86)が追う展開となったJN4クラスは、迫る山口を石川が抑え切り、最終的に20秒のリードを築き上げて石川が今季4勝目を挙げた。2位に山口/島津、3位にチャンピオンの曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)となった。

JN3クラスは、最後まで手綱を緩めず3つのベストタイムを奪った天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)が地元愛知での最終戦を優勝で締めくくり、有効7戦で優勝+デイポイントのフルポイントという完全勝利で2016年シーズンを締めくくった。デイ1を終えて2番手につけていたCVT仕様のヴィッツで挑んだ勝田貴元/足立さやかは、SS13でコースアウトし惜しくもリタイア。2位には、最終SSで逆転した島田章/石黒祐輔(マツダ・デミオ)が、3位には戸塚和幸/木村悟士(トヨタ・ヴィッツRS)が入賞している。

JN5クラスはデイ2すべてのSSでベストタイムを奪った新井大輝/小坂典嵩(シトロエンDS3 R3-MAX)が総合でも3位に食い込む見事な走りで優勝。2位には今季最上位となるヘイキ・コバライネン/北川紗衣(GT86 CS-R3)、3位には、初日にコ・ドライバーズチャンピオンを決めた柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)が入り、RR車両が表彰台を独占した。

順位クラスドライバー/コ・ドライバー車名タイム/差
1JN6-1勝田範彦/石田裕一ラックSTI 名古屋スバル DL WRX1:23:11.5
2JN6-2新井敏弘/田中直哉富士スバルアライモータースポーツWRX+22.5
3JN5-1新井大輝/小坂典嵩MATEX-ZEUS KYBDL DS3+2:06.1
7JN2-1小濱勇希/馬場雄一YH フェイスクラフト BRZ+4:28.4
11JN4-1石川昌平/石川恭啓ARTAオートバックス86+5:49.4
15JN3-1天野智之/井上裕紀子豊田自動織機・DL・ヴィッツRS+6:44.1
17JN1-1鈴木尚/山岸典将スマッシュDLitzzスイフト+7:18.5


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