WRCオーストラリア:プレ会見「まずはセブ、そして何が残るか、だ」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCオーストラリア:プレ会見「まずはセブ、そして何が残るか、だ」

©VOLKSWAGEN/Toni Welam

WRCオーストラリアのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。フォルクスワーゲン・ショック後まもない今季最終戦という、衝撃的な状況の中で行われたカンファレンスには、フォルクスワーゲンから出席した2名のドライバーのコメントに注目が集まった。選手権2位争いも残しているミケルセンは、まずオジエの今後が決まってから、残るシートを目指すしかない状況を語った。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
アンドレアス・ミケルセン=AM(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
オィット・タナック=OT(DMACK WRT)
ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・モータースポーツ)

VOLKSWGEN/Toni Welam

VOLKSWGEN/Toni Welam

Q:
まずはフォルクスワーゲンのふたりから。ラリーGBの後は大騒ぎだったが、ふたりの今の気分は。
SO:
もちろん、願っていたニュースではなかったし、WRCの関係者でこれを聞いてハッピーな人はいないと思う。ひとつのチームがシリーズを去るというニュースはいつ聞いても悲しいものだが、フォルクスワーゲンのようにラリーに多大な尽力をしてきたチームは特にね。タイミング的にも厳しい。来年のことを決める時間があまりない。この気持ちに対応しなくてはならない、特別な週末だ。これが最後になるとはまだあまり考えられないが、日曜日の夜はこれまでの成功を振り返り感情的になるだろうね。ポジティブな考えを持ち続けたいし、自分たちが収めてきた成果を胸に止めておきたいが、来年に向けてやらなくてはならないことがあるのは確かだ。
AM:
セブが言ったこととまったく同じだ。本当にショッキングなニュースだった。GBで噂は耳にしていたが、一年の今の時期はいつも噂が飛び交うもの。でも、それが確定したと分かった時は、大きなショックを受けた。もうシーズンもほぼ終わりという時期でモンテカルロまでもあまり時間がないのに、僕らはみんな、今後のことを決めなくてはならなくなった。この状況は、もちろん簡単とは言えない。でも今は、残り1戦に完全集中する。あとは、この先の2週間で決まるだろう。

Q:
セバスチャン・オジエの今後はどうなるのか。
SO:
2チームほどと話をしているが、隠すことではない。次のステップは、その作業を煮詰めて、今後に向けての糸口をもう少しつかむことだ。誰と契約するにしても、自分で判断してからサインをしたいし、マシンも試したい。来年ドライブすることになるかもしれないマシンのフィーリングを知る事は重要だ。

Q:
フォルクスワーゲンとの契約上、すぐに作業に取りかかれるということか。
SO:
同意してもらえることを願うよ。今後に向けての作業ができるという、いわゆる紳士協定だね。ヨーロッパに戻ったら、できるだけ速く新しいプロジェクトに取りかかれる状況になることを願いたい。モンテカルロまでは、ほんの数週間しかないからね。

Q:
今後のことが決まるのは、いつになるか。
SO:
できる限り早く決めて、すぐに仕事に入りたいね。モンテカルロに向けて万全の体制を整えるにはすでに遅すぎる。早いうちに決断を下したい。自分を欲しがってくれているチームが2チームほどあるが、余裕のある状況だとは言えない。少なくとも、選択肢はいくつかはあるということ。

Q:
理想的なシナリオは。どのチームに行きたいか。
SO:
僕の性格はだいたい知っていると思うが、僕は常に競技に身を置いていたいし、コンペティティブでありたい。競技力のあるチームとマシンを希望している。そうすれば、ここ何年かで見せてきたような走りを続けられる。

Q:
チームは今、感情的になっていると思うが、みんなはどんな様子か。
AM:
基本的には、チーム内のフィーリングはいい。みんな、ベストなリザルトを収めたいし、最高のかたちで終えたいと思っている。現場に入ってメカニックたちの目を見るのは、何とも言えない気分だ。今回のラリーは、いつもとは違う。日曜日、マシンが最後のスタートをする時は、感情的になるだろうね。本当に悲しい。こんなに素晴らしいチームで、これだけ成功を収めてきたのに、終わりを迎えてしまうのは、本当に悲しいし、みんなもそう思っている。

Q:
まだ選手権2位争いが残っているが、スタートから全開で攻めるか。
AM:
かなりね。ティエリーには14ポイント差をつけられているし、ラリーで勝つという厳しい仕事も待っている。スタート順もね。ビッグファイトになると思うので、できる限りを尽くし、日曜日の午後の結果を待つ。面白いラリーになるよ。できれば、いい終わり方をしたいね。

Q:
このイベントが終わった後の予定は。ミーティングの予定で詰まっているか。
AM:
幸い、いいマネージメント体制が整っているので、全力でこの状況に対応してくれている。シーズンも終盤だし、シートのほとんどは埋まっているが、僕とヤリ‐マティは同じ状況。まずセブがどうするのか、その上で何が残るかを待つしかない。

Hyundai Motorsport

Hyundai Motorsport

Q:
ヘイデン、何カ月も待ちわびたイベントを迎えて、プレッシャーは感じているか。
HP:
いや、まったくないね。今年は、すごくリラックスしている。去年はすごくプレッシャーを感じていたが、今は落ち着いているし、とにかくいいラリーにすることを楽しみにしている。

Q:
このラリーでは何が期待できるか。
HP:
コンペティティブに走りたいし、ポディウムを狙いたい。1回目の走行では走行順で有利かもしれない。それを活かせると思う。僕らにはアドバンテージがあるので、1回目の走行では少しアタックをしなくてはならない。とにかく、できる限りコンペティティブな走りで、いい仕事がしたいということに尽きるよ。

Q:
会期が遅くなったことで、どんな違いがありそうか。
HP:
今年は車内がいつもよりも、少し温かいだろうね! 道はもっとハードなので、タイヤの摩耗にどう影響するか、注視しなくてはならない。タイヤマネジメントは、鍵になると思っている。ドライでダスティ、コンディションはいつものような感じだと思う。

Q:
フォルクスワーゲンのニュースを聞いて、どう思ったか。
HP:
ショックだった。みんなと同じように、最初はネットで噂を見かけた。ただの噂だろうと思っていたが、それが決まったと知った時はショックだった。悲しい。誰も、そんな姿を見たくはない。フォルクスワーゲンはずっとベンチマークだったし、僕らをより必死にさせてくれた。でも、ラリーはこれからも成長し続けるし、3人のドライバーも、それぞれのチームに行くだろう。接戦はこれからも続いていく。

Q:
このラリーで勝ちたいという意欲はあるか。
HP:
できる限りの速さを出すつもりだ。今季は後半で、厳しい時期もあったし、思いどおりにいかなかった。だから、思い切りプッシュして、リザルトを待ちたい。

M-Sport/McKlein

M-Sport/McKlein

Q:
オット、ドライバー市場が一気に活発になったが、自分の来季の契約に関わるか。
OT:
もちろん、先日の一件で状況は一気に変わり、駒が増えた。この先、数週間でどうなるのか、非常に興味深い。それでも、僕らは大丈夫だと考えている。

Q:
今年はグラベル戦で素晴らしいパフォーマンスを披露しているが、今回もフォルクスワーゲン勢とビッグバトルが見られるか。
OT:
その予定だ。全開で行くことに何の問題もない。誰もが今年最後のイベントで思い切りプッシュしようとしている。高速でいいステージがあるからね。砂利掃きは大きなポイントになると思うし、僕らは有利な立場なのでそれを活用していく。

Q:
ロングステージもあり、気温は昨年よりも高い。タイヤの持ちはどうか。このようなコンディションでテストをしたことはあるか。
OT:
オーストラリアではテストはしていないが、他のラリーと同じように機能してくれるはずだ。

Q:
今年を優勝で締めくくりたいという意欲はあるか。
OT:
もちろんだ。今年最後のイベントだし、ウェールズではとてもいい走りができた。僕もライゴ(モルダー、コ・ドライバー)も、いいフィーリングをつかんでいた。言ったように、走行順で有利だし、午前のシェイクダウンでもフィーリングはよかった。どれだけのことができるか、楽しみにしている。



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