豊田章男社長「17年間、待ってくださってありがとう」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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豊田章男社長「17年間、待ってくださってありがとう」

©Naoki Kobayashi

2017年からのWRC復帰に向けて、フィンランド・ヘルシンキで参戦発表を行ったトヨタ。TOYOTA GAZOO Racing WRCのチーム総代表も務める豊田章男トヨタ自動車社長は、リリースのなかでコメントを寄せ、WRCの舞台への返り咲きを待ち続けたファンへの感謝の気持ちを表した。

TOYOTA

さらに、劇的な結末となった2016年のル・マン参戦になぞらえて、「TOYOTA GAZOO Racingは負け嫌い」とキッパリ。「WRCでも、負けたくはありません」と、参戦に向けての意気込みを表した。
(以下、豊田章男社長コメント)


2014年7月にフィンランドでWRCを観戦した際、多くのファンの方から、「トヨタは、いつラリーに戻るんだ?」という声をいただきました。

その半年後に「WRCの道に再び戻る」ことを決意し、本日、その準備を進めたチームの皆、そして支えていただいているパートナーの皆様とともにWRCの道に挑戦するクルマを、世界中の皆さまにお披露目できること、大変嬉しく思います。

かつてトヨタがWRCに参戦させていただいていたことが、10数年の時を経ても多くの方々の記憶に残っていることは大変な驚きと喜びでした。

17年間、この日を待っていてくださったファンの方々に「皆様の気持ちがあったからこそ、トヨタはこの日を迎えることができました。ありがとう」と感謝の気持ちでいっぱいです。

同時に、1970年代の設立期からチームをリードし続けてくれた故オベ・アンダーソンさん、そのもとで、1980年代にトヨタの確固たる存在感を築いてくれた故ビヨン・ワルデガルドさん、そして、1990年代にドライバーズチャンピオンを獲得してくれたカルロス・サインツさん、ユハ・カンクネンさん、ディディエ・オリオールさん。「ラリーとトヨタ」を人々の記憶に強く刻んでくれた多くの先人達にも、あらためて感謝いたします。

あらゆる道を走る競技であるラリーは、人とクルマを鍛え上げるためには最適な舞台です。

トヨタは、その舞台から長い間、離れていました。しかし、競技主催者、参加者、自動車メーカー、そしてファンの皆様が、この競技を守り、盛り上げ続けてくださったからこそ我々は、この舞台に戻ることができました。

人もクルマも、競い合いのなかで、それも予測しえない環境にさらされた時にこそ本当に鍛えられ成長してまいります。

トミ・マキネンは、幾度となくWRCを制覇した経験を持ち、また、三菱・スバルをはじめ、様々なクルマに乗って戦った経験の持ち主です。

彼とならば、他のチームと対等に競い合い、トヨタをも成長させてもらえるクルマとチームを一緒に作っていける……そう思い、彼にクルマづくり、チームづくりをお願いしました。

今年のル・マン24時間耐久レースの後にも言いましたが、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。WRCでも、負けたくはありません。

先日、短い時間ですがヤリスWRCのステアリングを握り、トミと一緒にクルマを走らせることができました。

クルマから感じる音や匂い、ステアリングやペダルから伝わる感覚、そして何よりクルマを作りあげてきたトミの表情を見て、このクルマで戦っていく“自信”を、彼と共有することができました。

古くから応援していただいているファンの皆様には「王者トヨタが帰ってきたね!」と、新たに応援していただけるファンの皆様には「トヨタを応援してよかった!」と笑顔で言っていただける日を1日でも早く実現できるよう、残り1カ月、WRC開幕のその瞬間までトミをはじめとするフィンランド、ドイツそして日本の負け嫌いなチームメンバーたちが最後まで努力を続けてまいります。負け嫌いなTOYOTA GAZOO RacingのWRCへの挑戦への応援をよろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田章男



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