ダカールラリーの2017年大会は、ステージ6がキャンセルになったことを受け、コンペティターたちはリエゾン走行を経て、土曜日のオーバーナイトパルクフェルメが置かれるボリビアのラ・パスに向かった。3660mと世界で最も標高の高い首都、ラ・パスでは、一行は土曜日の休息日を前に熱烈な歓迎を受けた。競技前半戦を終えた時点で、チーム・プジョー・トタルは暫定順位で首位、2番手、3番手につけている。
2017年のダカールラリーは、近年では最も激しい接戦となっており、主催者陣営の期待も高まっている。このイベント伝統の難関に加えて、新しいタイプのパッセージコントロールが設定されたことで、コ・ドライバーの試練も高まっている。デイ3のロードセクションでは標高4960mの高地まで上ると、雨に加え小雪にさえ見舞われるなど、コンディションの面でもさらに状況を厳しくさせた。チーム・プジョー・トタルはこの難関に立ち向かいながら、5ステージ中、最も短いステージを除く4ステージでベストタイムをマークした。チームの3クルーは総合首位争いを展開しており、3人全員が少なくとも1回はステージウィンを獲得。この日の段階で、3台のプジョー 3008DKRがトップ3を独占している。ステージウィンを2回獲得しているのはセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組だけだが、昨年覇者のステファン・ペテランセル/ジャン‐ポール・コトレ組は、ローブ/エレナ組に1分9秒の差をつけての首位に立っている。カルロス・サインツ/ルーカス・クルス組は、序盤貫録の速さを見せつけたが、レグ4で転倒を喫し、マシンが修復不可能となったことから戦線を離脱した。
2016年大会を制したプジョー 2008DKRの後継車として初めてのダカールに臨んでいるプジョー 3008DKRは、ここまでほぼ完璧な走りを見せている。クルー陣は、プジョー 3008のベースであるSUVのもつ優れたエアロダイナミクスの恩恵を受け、特にステージ2では圧倒的なトップスピードを披露した。一方、サスペンションとエンジンの改良も成果が現れており、ここまでのトラブルはステージ4でローブ/エレナ組が見舞われたエンジンのマイナートラブルのみに留まっている。
3クルーは、日曜日にラ・パスでの休息日を迎えており、チームスタッフはラリー後半に向けてマシンの整備にあたっている。2週目の競技には、夜間のサービスが認められない長距離のマラソンステージも含まれているため、休息日のメンテナンスは特に重要な意味を持っている。
ここまでの走行距離:4036km うち5ステージの走行距離は1386km(ステージ6はキャンセル)
残りの走行距離:4787km うち6ステージの走行距離は2025km
ステージウィン:5ステージ中4ステージ ローブ/エレナ組(SS2とSS5)、ペテランセル/コトレ組(SS3)、シリル・デプレ/デイビッド・キャステラ(SS4)
ラリーリーダー:ローブ/エレナ組(レグ2&レグ3終了時点)、デプレ/キャステラ(レグ4終了時点)ペテランセル/コトレ組(SS3終了時点)、
トップスピード:時速203km(レグ2)
最高気温:45°C (レグ2)
暫定リザルト(レグ6終了時点)
1 S.ペテランセル/J-P.コトレ(プジョー 3008DKR) 14:02:58
2 S.ローブ/D.エレナ(プジョー 3008DKR) +1:09
3 C.デプレ/D.キャステラ(プジョー 3008DKR) +4:54
4 N.ロマ/A.ハロ(トヨタ・ハイラックス) +5:35
5 M.ヒルボネン/M.ペリン(MINIジョン・クーパー・ワークス・ラリー) +42:21
コメント
ブルーノ・ファミン
「今年のダカールラリーは、すでにいくつものドラマが続出している。毎日のようにアクシデントが発生し、そのなかにはナッサー・アル‐アティヤとカルロス・サインツのアクシデントも含まれている。さらにメカニカルトラブル、複雑なナビゲーション、ステージキャンセルなどなど。首位争いは最初の週の間にも大きく入れ替わっているが、今の段階でトップ4は6分以内にひしめきあっている。これは事実上、差がないのも同然だ。大きなアドバンテージを得ている者は誰ひとりいないが、ナビゲーショントラブルで45分をロスしているクルーも出ているので、同じようなトラブルに遭わないという保証はまったくない。チームの3台がトップにつけているのはうれしいが、カルロスのリタイアはもちろん残念だ。ナニ・ロマがすぐ後ろにつけているし、今年のようなイベントでは、前半でロスしたクルーにも上位に復帰できるチャンスが残されている。ここからのルートには800kmのマラソンステージも控えているし、その後にはスーパー・バレンのステージも続く。2017年のダカールラリーの勝者を予想するのは、まだ時期尚早だ」
ステファン・ペテランセル(#300 プジョー 3008DKR)
総合首位
セバスチャン・ローブ(#309 プジョー 3008DKR)
総合2番手
シリル・デプレ(#307 プジョー 3008DKR)
総合3番手