2月2日(木)に開催されたTOYOTA GAZOO Racingプレスカンファレンスのために来日したヤリ‐マティ・ラトバラ。日本のファンのために、RALLYPLUS.NETの単独インタビューに応じてくれた。
──以前、ラリージャパンでの来日はあったと思いますが、今回はトヨタのドライバーとしての来日です。発表会を終えての感想を教えてください。
「とても光栄に感じたよ。これだけ大規模な発表を開催してくれて、ゲストやメディアがたくさん集まってくれた。このチームの一員になったことを誇りに思ったね」
──日本に来たのは、ラリージャパン以来ですか。
「ラリージャパンには2006年、07年、08年、そして2010年に参戦した。帯広と札幌だね。よく覚えているよ。いつだって、ラリージャパンには素晴らしい思い出がある。ステージをフィニッシュしてロードセクションを走っている間、沿道にはたくさん人が待っていてくれた。応援のバナーを持っていたり、ちょっと変わったコスチュームを着ている人もいたよね! 動物の着ぐるみもいたんじゃないかな(笑)。あんなに盛大にラリーを歓迎してくれる国はほかにないから、僕にとっても特別なイベントだった」
──将来、ラリージャパンが復活してほしいですか?
「もちろんだ。ラリージャパンがカレンダーから落ちてしまった時、本当にガッカリしたよ。お気に入りのイベントのひとつだったからね。忘れられないのは2010年かな。テクニカルトラブルが起こるまで、首位に立っていた。あれがなければ勝てていたかもしれないのになぁ……」
──さて、ラリーモンテカルロを走り終えたばかりですが、トヨタ・ヤリスWRCの長所はどこにあると考えていますか?
「やっぱりエアロダイナミクスじゃないかな。とてもエキサイティングなルックスだよね。あんな大きなウイングやリヤバンパーをつけているマシンはほかにない。それに、ドライブしていても、ダウンフォースをかなり感じるからね」
──逆にこれから開発が必要なセクションはどこでしょうか?
「モンテカルロでは燃料センサーにトラブルが出た。ここは改良する必要があるだろうね。直接の原因はまだ分からないんだ。エンジンを取り出して、センサー類を交換したから、もう大丈夫だと思うけれど……。トラブルが再発しないようにしなければならない。もうひとつポジティブに感じたことを言い忘れていたよ。エンジンのドライバビリティがすごくいい。運転しやすいんだ。パワーは十分出ているし、信頼性もある。ただトルクについてはまだ進化が必要かな。もっと厚くなってほしいんだ」
──あなたはフォルクスワーゲン・ポロの2017年仕様をテストしていますね。
「トップパワーはフォルクスワーゲンと同等か、もしかしたらそれ以上かもしれない。でも、いま言ったとおりトルクはもう少しほしい。でも、新しいスペックを投入するまでは、少し時間がかかるかもしれない。たぶんポルトガルまでにはアップデートされるはずだ」
──スウェーデンに向けたテストは順調でしたか?
「さっきも言ったけれど、日本に来る前に500kmほどスノーを走ってきた。色々なことをたくさん試してきたよ。それぞれをうまく組み合わせて、とてもいい感じにマシンが仕上がっていると思う」
──スウェーデンでは5位が目標と言っていましたが、本心は? プレスカンファレンスではトミ・マキネンに「嘘つくな!」って言われていましたよね(笑)。
「確かにね(笑)。モンテではいい結果を残すことができたけど、あのラリーでパフォーマンスの真価を比較することはできない。それはラリー界の誰もが知ってることだよね。モンテのコンディションは特殊だし、たとえフィーリングが良かったとしても、他のイベントでどうなるかは分からないんだ。ライバルと比べてレスポンスは? トラクションは? ハイスピード域でのパフォーマンスは? こうした要素はモンテを走っても、正直分からない。だから次のラリーに期待するのは少しガマンして、自分たちの真価をしっかり見極めることが必要だ。それができるのが、スウェーデンだと思っているよ」
ヤリ‐マティ・ラトバラ緊急インタビュー【後編】へと続きます。