WRC第2戦スウェーデンはすべてのSSを終えて、トヨタのヤリ‐マティ・ラトバラが総合首位でフィニッシュ。トヨタにとってはWRC復帰後初の勝利となった。僅差の2番手にはMスポーツのオィット・タナック、3番手に同じくMスポーツのセバスチャン・オジエという順位になっている。
ラリー最終日に残されたステージはSS16〜18の3SS。前日の最終SSで首位を走っていたヒュンダイのティエリー・ヌービルがリタイアする波乱があり、総合首位はトヨタのラトバラ、3.8秒差の総合2番手にタナック、16.6秒差の総合3番手にオジエというオーダーとなっていた。注目のオープニングステージ、SS16は21.19km。ラトバラは堂々のSSベストタイムをマーク、SS2番手のタナックに7.1秒をつけ、総合タイム差を10.9秒に。着実に首位の座を固めていく。3番手からの追い上げを狙うオジエは序盤でスピンを喫してしまい、ラトバラと27秒差のSS9番手タイムに。ラトバラとオジエの総合タイム差はこの時点で43.6秒となり、実質的に優勝争いからは脱落した格好となった。
続くSS17はSS16の再走SSとなる。ここでもラトバラはヤリスWRCの手綱を緩めず、SS2番手のタナックに9.1秒差をつける連続ベストタイムを記録。ラトバラとタナックの差は20秒へと開き、追いかけるタナックは順位キープ、オジエもパワーステージでのボーナス獲得にターゲットをシフトしている。これで突発的な事態がない限りラトバラの優勝は見えたと言っていい。
そして迎えたSS18、パワーステージ。金曜日にSS8として走行したトルスビー(16.43km)の再走SSとなる。トップグループで最後に走行したラトバラはペースを落とすことなくベストタイムで、見事トップフィニッシュを達成。トヨタに1999年チャイナ(カローラWRC/ディディエ・オリオール)以来となるWRC総合優勝をもたらした。
SS18はラトバラ、オジエ、ヌービル、シトロエンのクリス・ミーク、ヒュンダイのヘイデン・パッドンというトップ5。今シーズンからルールが改訂され、上位5台にポイントが与えられるため、トップでフィニッシュしたラトバラは5点のボーナスを加えて持ち帰ることに成功した。SS18フィニッシュ時点での暫定順位は、1位ラトバラ、2位タナック、3位オジエ、4位にヒュンダイのダニ・ソルド、5位にシトロエンのクレイグ・ブリーン、6位にMスポーツのエルフィン・エバンスとなっている。
日本車によるWRC総合優勝は、2005年の第12戦GB(スバル・インプレッサWRC2005/ペター・ソルベルグ)以来となる。ラトバラ自身にとっては、2016年のメキシコ以来となる通算17勝目。
次戦は、3月9日〜12日にメキシコ中部のグアナファト州レオンを中心に開催されるラリーメキシコ。シーズン初のグラベルラリーであり、マシンやエンジンにも負担がかかる2000m級高地でのラリーに各チームがどのような取り組みを見せるかにも注目が集まる。
WRCスウェーデン リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | 2:36:03.6 |
2 | オット・タナク | フォード・フィエスタWRC | +29.2 |
3 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | +59.5 |
4 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +2:11.5 |
5 | クレイグ・ブリーン | シトロエンC3 WRC | +2:51.2 |
6 | エルフィン・エバンス | フォード・フィエスタWRC | +5:26.6 |
7 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20クーペWRC | +5:31.2 |
8 | ステファン・ルフェーブル | シトロエンDS3 WRC | +7:14.7 |
9 | ポンタス・ティデマンド | シュコダ・ファビアR5 | +9:11.1 |
10 | テーム・スニネン | フォード・フィエスタR5 | +10:02.9 |