WRC第6戦イタリアはすべての競技日程を終了。前日午後に総合首位となったフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエが危なげなく走り切り、今シーズン4勝目を獲得した。2番手につけていたヒュンダイのヘイデン・パッドンも慎重なドライブに徹して2位表彰台。自身の最上位リザルトを手中に収めている。3位はヒュンダイのティエリー・ヌービルとなった。
この日はSS20〜SS23の計4SS、2本のステージを2度走行する構成となっている。最終ステージSS23はボーナスポイントのつくパワーステージ。朝の段階でオジエとパッドンは2分差、パッドンと3番手マッズ・オストベルグ(シトロエン)の差は1分と、ややもすれば上位陣はクルージングでラリーを終えてもおかしくない状況だ。
ところがオープニングのSS20では、追うオストベルグを突き放そうとプッシュしたパッドンがベストタイム。一方、このSSでオストベルグはイヤープラグが抜けてしまい、それを戻そうとしてコースオフ。しかも右リヤのブレーキにトラブルを抱えてしまった。そのためオストベルグは後続のヌービルにかわされ4番手にドロップ。続くSS21でもMスポーツのエルフィン・エバンスに交わされて5番手まで順位を落としてしまった。
この時点でパッドンは大きくペースダウン。残りのステージではリスクを避けた走りに徹し、最終SSのジャンピングスポットもほぼ飛ばずにi20 WRCをフィニッシュまで導いた。この結果、オジエは今季4勝目を獲得。2位パッドン、3位にヌービルという表彰台の顔ぶれとなった。4位はしぶとく浮上したエバンス、5位にはオストベルグが何とか踏みとどまった。
最終パワーステージはオジエがベストタイム。2位ヤリ‐マティ・ラトバラ、3位にミケルセンと、トップ3をフォルクスワーゲンが独占するかたちで幕となった。
次戦は7月2〜5日にかけて開催されるラリーポーランド。今年で72回目を迎える伝統あるイベントは、金曜日に設定された150kmをサービスなし(タイヤ交換のみ)で走らせる予定という。平均速度がフィンランドに迫るほどのハイスピードコースでどのようなドラマが展開されるか注目だ。
【WRCイタリア暫定総合順位】
1.セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン) 4:25:54.3
2.ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ) +3:05.4
3.ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ) +4:22.5
4.エルフィン・エバンス(フォード) +5:34.8
5.マッズ・オストベルグ(シトロエン) +7:50.1
6.ヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン) +8:06.7
7.ユーリ・プロタソフ(フォード/RRC) +14:57.7
8.ハリ・アル‐カシミ(シトロエン) +19:12.0
9.オィット・タナック(フォード) +22:12.4
10.ダニ・ソルド(ヒュンダイ) +53:20.0