全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2017 in 唐津 Supported by Sammy」は4月9日(日)のデイ2を終えて、初日首位の勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が逃げ切り、唐津ラウンドでの連勝記録を12回に伸ばした。
9日(日)は悪天候の前日から一転、曇り空ながらも晴れ間が見える空模様となった。しかし前日の雨がどれくらい影響しているか、序盤のセクションがドライかウェットかも掴みにくく、選手たちを悩ませた。
デイ2のコースは、唐津市南部に位置する今大会最長の9.44kmの林道SSと、古窯の森に設定された観戦可能な新設ステージを含む計5SS、28.54kmが舞台となった。
初日を2位と10.1秒差で折り返した勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)は、この日もオープニングのSS9からベストタイムをマーク。2番手につけていた福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションⅩ)が、左フロントサスペンションにダメージを負い6番手タイムと大きく出遅れたことで、その差を一気に30.8秒まで拡大。その後も後続の追い上げを退け、2006年に今大会を制して以来12年連続となる優勝を達成した。
「今回は様々なコンディションで走らなければならないタフなラリーでしたが、非常に面白かったです。次のラリーもタフなのでしっかり準備したい」と、勝田は次戦への抱負を語った。2位はSS10で福永を逆転した奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)、3位に福永となった。
初日終了時、SSタイムではクラス首位に立ったJN5クラスの小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)だったが、その初日にTC遅着のため10秒のペナルティを受け、デイ2のスタート時点では川名賢/保井隆宏(シトロエンDS3 R3-MAX)が首位に立つ展開となったJN5クラス。だが、デイ2は5カ所のSSすべてで小濱がベストタイムをマークし、首位を奪還。JN5クラスに移籍し、初めて乗るマシンの初戦でチームに勝利をもたらした。2位の川名はクスコレーシングとしてDS3を初めて完走させた。竹岡圭/箕作裕子(アバルト500ラリーR3T)も全日本ラリーデビュー戦で完走を果たし3位に入賞、表彰台を獲得した。
JN4クラスは、初日をトップで終えた曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)が初日のマージンを保って後続との差をコントロール。幸先良く今季初勝利を決めた。2位には3度のベストタイムをマークした石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)、3位には山本悠太/藤田めぐみ(トヨタ86)が入賞した。
JN3クラスは初日のタイム差をライバルたちが縮めることができず、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が盤石の勝利。CVT仕様ヴィッツを駆る大倉聡/豊田耕司、MT仕様のヴィッツの加藤英祐/塩田卓史とともに、ヴィッツが表彰台を独占した。
JN2クラスは、この日もディフェンディングチャンピオンの明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が無理せずに攻める作戦で今季1勝目。2位に加納武彦/横手聡志(スバルBRZ)、3位に桝井和寛/冨山祐一郎(トヨタ86)が続いた。
デイ1を同タイムで終えたJN1クラスの古川寛/池田孝之(スズキ・スイフトスポーツ)と小川剛/新原秀直(ホンダ・フィット)は、デイ2に入っても接戦を展開。SS9、10で古川がわずかにリードを広げたが、SS11で小川が逆転。「下りのステージで勝負した」という小川が全日本初優勝を果たした。
ツール・ド・九州2017 in 唐津 Supported by Sammy 最終結果
順位 | クラス | ドライバー/コ・ドライバー | 車名 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | JN6-1 | 勝田範彦/石田裕一 | ラックSTI名古屋スバルDLWRX | 58:48.5 |
2 | JN6-2 | 奴田原文雄/佐藤忠宜 | ADVAN-PIAAランサー | +34.6 |
3 | JN6-3 | 福永 修/齊田美早子 | 555☆OSAMU・F☆DLランサー | +52.0 |
6 | JN5-1 | 小濱勇希/馬場雄一 | KYB DUNLOP DS3R3 MAX | +3:16.0 |
9 | JN4-1 | 曽根崇仁/桝谷知彦 | P.MU☆DL☆SPM☆INGING86 | +3:57.7 |
11 | JN2-1 | 明治慎太郎/北田 稔 | YHGd高崎くす子86 | +4:29.3 |
13 | JN3-1 | 天野智之/井上裕紀子 | 豊田自動織機・DL・ヴィッツRS | +4:42.9 |
14 | JN1-1 | 小川 剛/新原秀直 | チームO・T・S.ANYHフィット | +4:49.7 |