WRCのコンペティター陣は再びヨーロッパからアメリカ大陸へ移動し、何よりモータースポーツに情熱を注ぐ国へと向かう。今季第5戦となるYPFラリーアルゼンチンは、カレンダーの中でも最も人気のある一戦。ソフトなサンディグラベルから、トラスラシエラ山脈の高地に広がる石が散乱するナローなステージ、イベントの拠点となるビラ・カルロス・パスまで、対照的なコースが入り交じる難関だ。南半球の初秋にあたるこの時期は天気も変わりやすく、標高が高いエリアでは深い霧に見舞われることも少なくない。また、豪快なウォータースプラッシュもまた、アルゼンチン戦の名物だ。
ラリーアルゼンチンの初開催は、1980年。当時の開催エリアはタクマン地域だったが、その後、バリロケに移り、その後ブエノスアイレスから700kmほどのビラ・カルロス・パスでの開催が定着した。アルゼンチンはモータースポーツを愛する情熱が深く、WRCのコンペティターは毎年熱烈歓迎を受ける。ステージ周辺には何十万人の観客が集まり、キャンプをしたりバーベキューを楽しみながら、お祭り騒ぎでラリーカーの登場を待つ雰囲気は独特だ。
ここまでの4戦、それぞれが異なる路面で開催され、それぞれ異なるマニュファクチャラーがウイナーを輩出した。気持ちを新たに、再びグラベルに挑む今戦、一年で最も予測がつかないコンペティティブなラリーで、今季最初の2勝目をマークするドライバーが誕生するのか、注目が集まる。
■2017年のルート
FIAラリーディレクター ヤルモ・マホネン
「ラリーアルゼンチンは独特な難関イベントで、モータースポーツが大好きな人々が集まるイベント。多彩な性格のステージが集まり、天気も非常に変わりやすくなることもあるので、新型マシンもタイヤも、今季5戦目のラリーで全く違う試練に立ち向かうことになる。今季は既にウイナーが4人誕生しており、誰がポディウムの頂点に上がるのか、大注目の一戦だ」
■ラリーデータ
開催日:2017年4月27‐30日
サービスパーク設置場所:アルゼンチン、ヴィラ・カルロス・パス
総走行距離: 1417.98km
総ステージ走行距離:357.59km (SS比:25.22%)
総SS数:18
■開催選手権
WRC
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