2017年APRC開幕戦インターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイ(ニュージーランド、グラベル)は4月30日、競技最終日となるレグ2に設定された6SSの走行が行われ、初日を終えて2番手につけていた2016年チャンピオンのガウラブ・ギル(シュコダ・ファビアR5)が逆転優勝を飾った。
この日は、チームメイトで今戦でAPRCデビューを迎えたオーレ・クリスチャン・ベイビーに33.2秒差の2位でスタートしたギル。そのベイビーは、この日先頭スタートでルーズグラベルを履く役目を背負ったが、再走ループとなる午後の1本目でトラブルに襲われた。
「リヤのホースが壊れて緩み始め、オイルが漏れたため、ジャンクションでブレーキが利かなかった。このステージはブレーキなしでフィニッシュしなくてはならず、かなりタイムをロスした」とベイビーは状況を説明する。次のステージは9分遅れてのスタートとなったため、さらに1分半のタイムペナルティも背負った。
「勝てる手応えを感じていたので、その時はかなり落ち込んだ。2位に入ってポイントは獲得できたが、勝てたラリーだと思うとね。だが、これもラリー。勝つこともあれば、負けることもある」
「今回参戦できたことは本当にうれしかったし、シュコダ、MRF、チームのみんなには心から感謝している。最後のステージはプレッシャーもなくなり、クルージングだったけれど、スペクテイターに楽しんでもらうために走った」
一方、辛くも勝利を勝ち取ったギルは「僕らは勝つためにやってきた。プロとして、いつも勝つことを目指している」とフィニッシュでコメント。
「いいラリーだった。OC(ベイビー)がとてもいい走りをしていたので、大変だったが、昨日は僕らがトラブルで後退し、今日は彼が同じ状況になった。だから、これもスポーツの流れの一つなんじゃないかな。最も重要なことは、MRFの2台が1‐2フィニッシュしたということだよ」
一方、R5規定相当仕様の三菱ミラージュでAPRCフル参戦の初戦を迎えたヤリ・ケトマーは、総合3位を走行していたが、この日最初のステージでエンジントラブルによりリタイアとなった。しかし、同じマシンで参戦したロベルト・ブロムベルグが国際格式部門3位でフィニッシュを果たした。
日本の高橋冬彦(スバルWRX STI)は、笑顔でフィニッシュに帰還。
「楽しめた。それこそが今回エントリーした理由。序盤は雨も降ったし、最後のステージはアップダウンが激しかった。日本にはこのような道はなく、全然違う。でも楽しかった」
APRCワンガレイ 国際格式部門最終結果
1 G.ギル(シュコダ・ファビアR5) 2:35:06.8
2 O-C.ベイビー(シュコダ・ファビアR5) +2:02.8
3 R.ブロムベルグ(三菱ミラージュAP4) +17:45.5
4 高橋冬彦(スバルWRX STI) +28:17.6
5 PG.アブヒラッシュ(スバルWRX) +33:42.9