WRC第6戦ラリーポルトガルは、WRC2部門にシリーズ参戦する上での必須イベント3戦のうちのひとつとして指定されている(他にはドイツと英国)。タイトル争いの行方を左右する重要な一戦とも言え、R5マシン勢の激しい戦いが予想される。
ここまでの5戦はすべて、シュコダ・ファビアR5が制しており、ポイントリーダーのポンタス・ティデマンドがスウェーデン、メキシコ、アルゼンチン、スポット参戦のアンドレアス・ミケルセンがモンテカルロとコルシカで優勝を飾っている。選手権争いの面では、ティデマンドがミケルセンに25ポイント差をつけている。そのミケルセンは昨年のポルトガルで総合2位に食い込んでおり、ティデマンドはミケルセンと争うことは意識しておらず「WRC2での選手権リードを広げるために、できるだけ多くのポイントを獲得したい」と語っている。そのシュコダ勢を追随するのは、Mスポーツのフォード・フィエスタR5で戦うエリック・カミリとティーム・スニネンの2人。カミリはすでに4戦に参戦して現在3位につけているが、スニネンはここまでノミネート2戦だけで10ポイント差の4位につけている。今回のポルトガルでは、Mスポーツは大幅にエンジンをアップグレードさせた最新型のフィエスタR5 Evo2を投入しており、カミリとスニネンの他、ピエール・ルイ・ルーベ、ガス・グリーンスミス、ペドロ・ヘラーが新型モデルを駆る。
メキシコとアルゼンチンの遠征戦ではベニート・グエラが確実にポイントを稼いでおり、選手権5位で欧州戦を迎える。
ヨハン・ロッセルとシモーヌ・テンペスティーニは、いずれもシトロエンDS3 R5で参戦。カンタン・ジルベールはここまで一戦のみの参戦にとどまっているが、そのモンテカルロで10ポイントを獲得。この時はフィエスタR5での参戦だったが、今回はファビアR5にスイッチする。
その他の注目選手としてWRC.comは、2016年のドライブDMACKフィエスタ・トロフィーの優勝特典として与えられた2回の参戦の緒戦に臨むマックス・バタネン、ヒュンダイi20 R5で参戦するイタリアのファビオ・アンドルフィとともに、トミ・マキネン・レーシングからフィエスタR5で参戦する新井大輝、勝田貴元の名前を挙げている。