ラリーポルトガル、デイ3終了後の各ドライバーからのコメント。本格グラベル戦の2日目に、一気に首位に躍り出たMスポーツのセバスチャン・オジエ。昨年まで走行順の関係でストレスのたまる戦いを強いられてきたグラベル戦での、会心の走りに満足を見せた。
*()内は総合順位の前日比
[MスポーツWRT]
フォード・フィエスタWRC
セバスチャン・オジエ/総合首位(↑)
「今日の進捗には、本当に満足している。こういったパフォーマンスが出せたのは、すごく久しぶりだ。ずっと1番手か2番手の順番でスタートしていたからね。ドライビングは昨日と同じような感じだったと思うが、走行順がかなり違っていた。これだけのギャップを作ることができて、とてもうれしいね。もちろん、ラリーはまだ終わってはいないし、まだ片づけなくてはならない仕事が残っている。16秒は完全にリラックスできる差ではないので、このまま同じスピードを維持してトラブルを避ける、ここまでの流れをつなげていかなくてはならない。明日は、素晴らしいステージが待っているし、ファフェは心から好きなステージだ。もちろんプッシュしていかなくてはならない。誰も、一歩も引かないからね。僕らも全力を尽くしていかなくてはならないし、パワーステージはボーナスポイントが獲得できるから、毎回重要な1本だ。最終日を楽しみにしているし、チームや選手権のためにも、いいリザルトを持ち帰りたい」
「午前中に起きたことは、残念だった。ハードにプッシュしていたが、それでもペースにはかなり余裕があった。これがラリーだし、こんなことが起きる時もあるから、それほどストレスはたまっていない。午後はそれほどプッシュせずに、いいリズムを持ってスムースでクリーンなドライブをすることだけに専念した。これで4位まで挽回できたし、明日に向けて走行順もよくなった。いつも通り、全力を尽くしていくだけだ。後ろにいるクレイグ(ブリーン)とはまだ僅差だし、彼はこの週末、いい速さを見せているので、彼には気をつけていかなくてはならない」
エルフィン・エバンス/総合6位(=)
「SS10はとてもよかったが、その後は今一つだった。SS11の中盤でミスをした。道に戻れたのは、かなりラッキーだった。でも、そのステージの終盤でパンクし、それがダンパーのダメージにつながった。これで、一番長いステージ(SS12)が厳しくなった。午後は、違うことを試すことにした。それはうまく行かなかったが、冒険してみなければ得られるものはないし、6位に戻れたことはポジティブな要素だ」
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20クーペ WRC
「今日は、首位との差を広げないよう全力を尽くした。一日を通して安定したペースが見せられたし、ステージベストを2回出したのは好材料。でも、オジエにかなわないステージもあったので、大差を許してしまった。でも、2位につけているのはかなり満足だ。特に、昨日は厳しい一日だったからね。今朝は、タイヤ面では妥協していかなくてはならなかった。SS13はベストも決められたが、その後はタイムを稼いだりロスしたりだった。今日最後のステージが一番走りやすかったし、ステージベストで一日を締めくくれたのはよかった。最後の4本にはまだチャンスはあるが、チームとしては今、2台がポディウム圏内にいるので、日曜日の午前はムチャはしないよ」
ダニ・ソルド/総合3位(↓)
「本当に難しい一日だったが、まずまずポディウムの位置を固められた。いつものようにベストを尽くしたが、もっと首位争いに絡んでいきたかったね。マシンは、特に午前中、リアがかなりスライドして、ライバルと比べてトラクションが不足していた。日中サービスで改善させようとしたが、タイムはよくならなかった。それでもステージは楽しかった。3位はそれほど落ち込むような順位ではないし、暫定ではポディウムにつけている。この週末でのターゲット通りだ。日曜日もまだ距離がたくさん残っているので、まだ何も確定してはいない」
ヘイデン・パッドン/SS14でデイリタイア
「何て言ったらいいのか、僕らのバッドラックはまだ続いているようだ。昨日のことはあったが、今朝は気持ちを前向きにして走り始めた。チームは必死でがんばって、僕らをラリー2規定で走れるようにしてくれた。2番手からステージを走行するのはタフになることは分かっていたが、プッシュして楽しもうと決意していた。楽しむことはできたよ! いいドリフトができたこともあったし、ファンのために見せ場を作ったと思う。でも、ずっとグラベルを掃かなくてはならないので、タイムにはつながらなかった。そして午後、僕らの運がまた暗転して、ステアリングのトラブルで今日が終わってしまった。それ以上のことはない。明日の最終日は、トラブルフリーな一日になるようにしたい」
[シトロエン・トタル・アブダビWRT]
シトロエンC3 WRC
「ここ3年間、このラリーを戦ってきたドライバーと競り合うのは、難しかった。いずれにしても、一日のほとんどで4位を維持して、マシンの理解を深めることができた。アマランテ2では、リアタイヤの減りに対応しなくてはならず、少しミスもしたので、タナックの先行を許してしまった。でも、ギャップは3秒以下だし、明日もしっかり距離が残っているので、気持ちはまだポジティブのままだ」
ステファン・ルフェーブル/総合14位(↓)
「今日は思うようにマシンを活かせなかった。昨日に比べて、走行順が理想的ではなかったのは確か。でも、ほとんどのステージを走り切ったし、サービスの間はセットアップを大きく改善できた。有意義な一日だった」
「昨日のパフォーマンスを、今日は出せなかった。おそらく、ラリー2で再スタートしたので、勝負にはならないというところで何かしっくり来なかったのだと思う。セットアップの作業を続けて、午前と午後では前進もあった」
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタ・ヤリスWRC
「最終ステージでは、エサペッカのダストが見えてきた。彼はトラブルを抱えていたので、すぐに僕を追い越させてくれた。彼にも、それを段取りしてくれたチームにもとても感謝している。かなりトリッキーな一日で、午後はSS14でストップして再スタートするまでに1分近くをロスした。原因はよく分からないが、チームが修復してくれるはずだ。基本的には、午後のステージは昨日よりもコンディションがよくなったが、もちろん、逆走での経験があまりない中での走行となった。それ以外は、大きな問題はなかったが、今日は一日を通してグリップの変化が激しかった。重要なのは、落ち着きを維持すること。そして、明日はいいリザルトを収めたい」
ヤリ‐マティ・ラトバラ/総合9位(↑)
「今日の滑り出しは、気分があまりよくなかった。胃の具合がおかしく気合いを入れ続けるのが難しかったが、よくなってきている。今日、とてもポジティブだったことは、ステージの2ループ目での走りが格段によくなったこと。特にサスペンションだ。みんなががんばってくれたので、昨日と比べると確実にいい方向に向かっている。今日は1、2回、つまづくことがあったが、大きな問題ではない。今日の道の方が固かったので砂利掃き役の影響が大きかったが、午後になってもあまり道が荒れなかったとも言える。このラリーは、いい経験になっている」
「今日の最終ステージでは、舗装区間に出ていたグラベルにつかまり、これでマシンの後ろを壁にヒットした。右リヤにダメージを負い、ブレーキディスクもなくなってしまった。サービスに戻れたのは、ラッキーだった。今日の2本目のステージでは、1分近くをロスした。ステージ中に、自分のミスでマシンをストールさせてしまい、再スタートするのに調整を行わなくてはならなかった。今日はタイヤチョイスもあまり当たらなかったが、これも成長する上での経験だ。今日は全体的に昨日よりもグリップが少し低かったように思うので、自分のブレーキングが早過ぎるところもあった」