ERC第3戦アクロポリスラリーは6月4日、ラミア周辺でレグ2に設定された3SSを2ループする6SSの走行が行われ、2016年チャンピオンのカエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)が優勝した。
前日を終えて、首位から30秒近く遅れての3番手だったカエタノビッチ。しかし、この日最初のステージで、前日トップのナッサー・アル‐アティヤ(フォード・フィエスタR5)に、パワーステアリングのトラブルが発生。これを解消するためにマシンを停車したアル‐アティヤは、エンジンの再始動に手間取り2分近くをロスしてしまった。その後、サービス後に迎えた最初のSS10でも再びステアリングにトラブルが発生。ここでリタイアを決めた。
アル‐アティヤのトラブルで2番手に上がったのは、選手権リーダーのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)。しかし、そのマガラエスも、この日3本目、33.86kmのSS9で電気系トラブルに見舞われてパワーロス。ここでカエタノビッチは首位に躍り出たカエタノビッチは、昨年は開幕ステージで転倒を喫した舞台で雪辱を晴らしての今季初優勝を決めた。
「自分たちを信じてくれたみんなに感謝したい。信じられない気分だ」と満面の笑みを浮かべたカエタノビッチ。「人生の中でも、最も難しいラリーのひとつだった。マシンにも、体にも、気持ちにも過酷だった。しかし、同時に素晴らしいラリーでもある。メチャクチャでもあるし、信じられないよ」
マガラエスは、カエタノビッチから2分近くの遅れになりながらも2位でのフィニッシュを果たし、選手権争いでは首位を死守した。テスト中のクラッシュで負傷し今戦を欠場したアレクセイ・ルキヤナクをかわして、カエタノビッチが2位に順位を上げている。
ERC2は、前日首位につけたゼリンド・メレガリ(三菱ランサーエボリューションIX)がポジションを堅守してフィニッシュ。ERC3は、前日はECUのトラブルで出遅れていたERCジュニアU27(今戦は未開催)のコンテンダー、ブグラ・バナス(フォード・フィエスタR2T)が逆転、ERC3部門での初優勝を飾った。前日トップのユミキャン・オゼミール(フォード・フィエスタR2T)は、ギヤボックスのトラブルに見舞われ、2位でのフィニッシュとなった。
ERCの次戦は、第4戦キプロスラリー(ターマック/グラベル)が6月16-18日の日程で開催される。
ERCアクロポリス 最終結果
1 K.カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5) 2:50:40.6
2 B.マガラエス(シュコダ・ファビアR5) +1:58.7
3 G.グジプ(シュコダ・ファビアR5) +5:05.3
4 A.ソウロフタス(シトロエンDS3 R5) +7:48.3
5 S.ソラキディス(シュコダ・ファビアR5) +15:49.2