今週開催されるWRCポーランド、シトロエン勢は気持ちを新たに臨み、ここまでの不振を払拭していく構えだ。
ラリーイタリア・サルディニア以降、チームのエンジニアとクルーはすぐにポーランド戦への準備に取り組み、ポーランドのミコワイキ地方で4日間のテストを敢行。ポーランド戦に参戦するアンドレアス・ミケルセン、クレイグ・ブリーン、ステファン・ルフェーブルが参加し、ポーランドのステージに合わせた仕様のセットアップ調整に努めた。
このテストを受けて、チームは新しいリヤディファレンシャルと新たにFIA公認を取得した「ジョーカー」を投入し、トルク配分の調整を図った。目標にほど遠いリザルトが続いていることから、チームはここで気持ちを新たに、ポディウムフィニッシュを目指して行く。
ポーランドではこの3年、優勝1回、2位2回と相性のいいアンドレアス・ミケルセンは、今年も好リザルト獲得に自信を見せる。新しいコンポーネンツの供給が遅れていることから、新パーツを装着するのはミケルセン車のみ。デイ1は走行順にも恵まれることから、その後2日間に向けても好位置を狙える絶好の状況が揃っている。
「テストはとてもいい内容に終わった。実戦と同じような道で2日間走り込んだことから、自分のドライビングスタイルに合ったセットアップを見つけることができた」とミケルセン。
「もちろん、まだやらなくてはならないことは残っているが、クレイグとステファンも、この変更には満足していると思う。ポーランドは得意なラリー。ここの道に対して、ドライバーとしての自信を持っている。C3 WRCのことは、サルディニアで多くを学んだので、今回は上位陣と競り合っていきたい。天気、ダスト、走行順、いろいろな要素が戦況に影響するが、全てが順調に進めばポディウムを狙って行きたい」
2016年のポーランド戦は7位でフィニッシュしているブリーンも、このラリーを得意とするひとり。高速でリズムに乗れるステージはドライビングスタイルとも相性がいいことから、モンテカルロ、スウェーデン、コルシカ、ポルトガルでマークした総合5位を目指す。
「サルディニアはラフでワインディングだったので、イベント前テストではポーランドの高速ステージに自分を合わせられるように調整することができた。テスト中、アンドレアスがいいアイディアを思いついて、これがいい方向に進んでいると思う。ある程度の経験があるラリーなので、うれしいよ。昨シーズンは、ポーランドが自分にとってのターニングポイントとなった。ここで勢いをつけて、フィンランドでのポディウムフィニッシュにつなげることができた。ここ3戦よりも自信を持ってポーランド戦を迎えることができる。5位フィニッシュが続いているので、次は少しポディウムに近づきたいね」
前戦サルディニアを欠場したルフェーブルは、ポーランドでC3 WRCに復帰。2016年には7位走行中にマディな道につかまり9位に後退してしまったが、ルフェーブルもデイ1の走行順は有利なことから、今年はフィニッシュまで勢いを持続することが目標となる。
「アンドレアスやクレイグ同様、自分もテストで前進することができた」とルフェーブル。
「ポーランドはとても好きなラリー。ここ3年、いい速さを出せている。昨年は、上位陣が首位争いをしている中で、初めてWRCでのステージウインをマークすることができたことがうれしかった。ここでの走り方はつかめているし、テストで自信も高まった。自分の目標はフィニッシュして、ここまでの残念な流れに終止符を打つことだ」