現在、WRCのドライバーズ選手権、マニュファクチャラーズ選手権でともに首位につけているMスポーツ陣。今週開催される超高速グラベルのポーランド戦では、選手権リードを広げるために、さらにプッシュを続ける構えだ。
チームはエストニアでプレイベントテストを行い、セバスチャン・オジエ、オィット・タナック、エルフィン・エバンスが参加。エストニアは、ポーランド同様の高速ステージでのテストが可能な上、携帯の電波圏も広いアドバンテージを活かして、ファンに向けてテストマシンのインカー動画をライブストリーミングで配信した。Mスポーツとしては初の試みで、このストリーム放送は26万ビューをカウントした。
今季ここまでの7戦で、ポディウム10回、優勝3回をマークしているMスポーツは、優勝を逃したイベントでも、チームベストは一度も2位を下回っておらず、ポーランドでもこの勢いをキープできる手応えを感じているという。
ポーランドでは2014、2015年と連勝しているオジエ。昨年は、走行順で不利を強いられたが、エストニアでの順調なテストを受け、昨年の6位から順位を上げて行くことに意欲を高めている。
「ラリーポーランドは、どのドライバーも楽しみにしているイベント。信じられないペースの高速ステージは、驚くほどのアドレナリンを感じる。今年はマシンも新しくなるので、なおさらだ」とオジエ。
「ポーランドでは過去2回勝っているが、昨年は砂利履きをしなくてはならなかったので、最も悪い内容だったと言えるかもしれない。選手権をリードするということは、シーズンのこの段階ではまさに求めていたポジションだが、もしドライなら金曜日はディスアドバンテージになるだろう。タイムロスをできる限り抑えなくてはならなくなる。ここでタイムを取り戻すのはとても大変なことだが、出来る限りのことをする」
「エストニアではいいテストができたし、マシンもいいフィーリングがつかめた。選手権でのリードを維持することが最優先。もし広げることができれば、いい週末になる」
前戦サルディニアで待望のWRC初勝利をマークしたばかりのタナックは、1年で最も得意とするポーランドを迎える。初参戦の2014年はWRC2で勝利。2015年、2016年はWRカーでポディウムに上がるなど、ポーランドではいい成績を残しており、母国エストニアで行ったテストを受け、今回もポディウムの頂点を目指す。
「ラリーポーランドが僕の大好きなイベントであることは、みんな知っている。エストニアでは、同じような道に囲まれて育ったし、今年は新しいマシンなのでさらに興奮するよ、待ちきれない!」とタナック。
「ここは、まさにドライバー本来の力量が試されるラリー。信じられないほどの速度域なので、しっかり自信を高めていかなくてはならない。ペースノートは完璧である必要があるし、少しでもためらいがあれば速さとタイムに影響する。マシンにはいいフィーリングが得られているので、1秒1秒を楽しみたい」
今回がポーランド3回目の参戦となるエバンスは、ベストリザルトは昨年の13位。エストニアでのテストを順調に終え、ベストのパフォーマンスを披露することに意欲を高めている。
「ラリーポーランドを、とても楽しみにしている。サルディニアは思うようには行かなかったが、気持ちを立て直したので、今週はいいリザルトを収めたい」とエバンス。
「エストニアで行ったテストの道は実戦ととても似ていたし、様々なコンディションでかなり走り込んだので、しっかり準備ができている手応えを感じている」