最終日を迎えたラリーフィンランドは、難関ステージのオウニンポウヤを含む4SSを2回ループする構成。
デイ2を終えた段階で、首位のセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)と2番手のティエリー・ヌービル(フォード・フィエスタRS WRC)の差は38.1秒と開いている。ヌービルの0.9秒背後にはマッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタRS WRC)が迫っており、2番手争いがデイ3の焦点となった。オストベルグの22.4秒遅れにはミッコ・ヒルボネン(シトロエンDS3 WRC)。地元の意地を見せられるか。そのヒルボネンのわずか8.1秒後方には、スポット参戦のクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)がつけている。
午前中のループでは、オジエはすでにクルージングモード。「今日の狙いはオウニンポウヤだけ」と、オウニンポウヤではヒルボネンもおよばないトップタイムをたたき出し、それ以外は3〜5番手のSSタイムでまとめた。一方の2番手争いは、ベストタイムを獲り合いステージごとに順位を入れ替えるスクラッチバトルが展開。サービスに入った時点ではオストベルグがヌービルに対し2.8秒のアドバンテージを築いていた。
午後のステージでは、ヌービルがじわじわとオストベルグとの差を削っていき、オウニンポウヤを前にした段階で0.1秒差まで詰め寄っていた。そのオウニンポウヤでオストベルグは路上の岩を避けるためにコースオフし20秒以上のタイムロス、これでヌービルとオストベルグの差は19.7秒まで開いてしまい、両者の戦いはここで決着がついた。また、5番手でヒルボネンを追っていたミークはオウニンポウヤでロールオーバー、リタイアを喫している。
すでに勝利を確実にしたオジエは2度のオウニンポウヤで圧倒的なベストタイムを獲得。今シーズン5勝目を挙げ、ノンスカンジナビアン5人目のフィンランドウイナーとなった。最終SSではヌービルがトップタイムをたたき出し、初めてボーナスポイントの3点を獲得した。
WRC2は地元のヤリ・ケトマーがフィエスタR5のデビューウインを飾り、2番手にはシトロエンDS3 RRCのロバート・クビカが入っている。3番手にはシュコダ・ファビアS2000のヘイデン・パッドンというオーダー。
WRCドライバーズランキングはオジエが181点と圧倒的なリードを築いている。ヌービルは今回の2位で計91点。ヤリ‐マティ・ラトバラと並ぶ2番手タイに浮上した。
【ラリーフィンランド暫定最終総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 2:43:10.4
2:T.ヌービル(フォード) +36.6
3:M.オストベルグ(フォード) +57.6
4:M.ヒルボネン(シトロエン) +1:21.6
5:D.ソルド(シトロエン) +6.08.5
6:E.ノビコフ(フォード) +8:39.7