全日本ラリー選手権第3戦若狭ラリー2日目は、初日トップの奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)が、SS10でタービンブローを喫しまさかの戦線離脱。代わってトップに立った勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)が、ベストタイムを連発して2位に浮上した福永修/鈴木裕(三菱ランサーエボリューションX)とのバトルを制し、今季2勝目を飾った。
ドライコンディションで争われた2日目は、この日2本目のSSとなるSS10で大波乱が起きた。初日をトップで折り返した奴田原は、このSSをスタートした直後にタービントラブルに見舞われ、トップから2分以上遅れてフィニッシュした後、そのままリタイアとなってしまった。奴田原のリタイアによりトップに立った勝田だが、今度はその勝田に福永が襲いかかる。初日、2本のハイスピードSSを制した福永は、2日目も同じステージのSS9、10でベストタイムを連発。さらにショートステージのSS11で新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)とベストタイムを分け合い、テクニカルステージのSS11でもベストタイムをマークし、初日を終えた時点で12.1秒あった勝田との差を一気に2.2秒差にまで縮めてくる。
一方、逃げ切りを図る勝田だが、SS13ではゴール手前で痛恨のスピン。これで福永がトップに浮上するかに思われたが、その福永も同SSをスタートした直後にまさかのスピンを喫し、ふたりの差は5.2秒差まで拡大する。
残すは590mのギャラリーSS1本。だが、勝田のマシンはSS12のスピンが原因で左リヤサスペンションのアームが曲がった状態だ。最終SSまで目が離せない展開となったが、勝田はこのSSを必死に走り切り、福永から2.2秒遅れのタイムでフィニッシュ。わずか3秒というタイム差で逃げ切りに成功し、今季2勝目を獲得した。2位には福永が、3位には新井が入賞した。
JN5クラスは、初日の序盤に出遅れて3番手で折り返した天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツターボ)が猛烈な勢いで追い上げを開始。SS12で大倉聡/北田稔(トヨタ86)を捕らえ2位に入賞する快走を見せた。一方、初日トップの眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)は、天野に8.8秒差まで追い上げられるものの、初日のマージンを十分に生かし、今季2勝目を挙げた。3位には大倉、4位には初日の遅れが最後まで響く結果となった柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208GTi)が入賞した。
JN4クラスは、初日トップの番場彬/亀森隆志(トヨタ86)が逃げ切り全日本初優勝。JN3クラスは、2日目オープニングのSS9でいとうりな/新井祐一(マツダ・デミオ)がトップに躍り出るという展開となったが、SS12では初日トップの島田章/石黒祐輔(マツダ・デミオ)がトップに再浮上、さらにSS13では初日3番手の武田雄一郎/鈴木和人(トヨタ・ヴィッツRS)がトップに立つという目まぐるしい展開となったが、その武田が逃げ切り優勝を飾った。またJN2クラスでも初日トップの中井育真/佐土原慶一(マツダ・デミオ)が優勝と、全日本初優勝ラッシュの第3戦となった。また、JN1クラスは初日トップの中村晃規/古川智崇が逃げ切り、今季初優勝を飾った。
■最終結果
JN6
1.勝田範彦/足立さやか ラック名古屋スバルDLWRX STI 54:07.2
2.福永 修/鈴木 裕 オサムファクトリー・DL・CZ4A +3.0
3.新井敏弘/田中直哉 富士スバル新井モータースポーツWRX +18.0
JN5
1.眞貝知志/漆戸あゆみ ABARTH500Rally R3T DL 56:42.3
2.天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・ラックDLヴィッツGRMN +8.8
3.大倉聡/北田稔 TOYOTAGAZOORacing86 +18.1
JN4
1.番場彬/亀森隆志 ADVAN Gd 高崎くす子86 57:45.9
2.小濱勇希/馬場雄一 ADVANフェイスクラフトBRZ +20.2
3.香川秀樹/浦雅史 BRIG ラック シビックタイプR +38.5
JN3.
1.武田雄一郎/鈴木和人 シロキヤ・DL・BRIG・ヴィッツ 1:01:10.8
2.島田章/石黒祐輔 テイクスDLワコーズデミオ +4.2
3.いとうりな/新井祐一 ADVAN p.mu エムスポーツデミオ +32.6
JN2.
1.中井育真/佐土原慶一 デューポイント・DL・フィルインSデミオ 1:00:38.8
2.田中伸幸/藤田めぐみ 加勢eレーシングBS薬子WMスイフト +12.1
3.須藤浩志/新井正和 スマッシュBRIGコマツスイフト +28.2
JN1
1.中村晃規/古川智崇 DLディクセルNETracingRX-8 57:15.8
2.松田保夫/杉原慶彦 SRS RX-8 +6:40.6