今季初参戦に挑むWRCで、現在ドライバーズ選手権では1-2を独占するなど絶好調のフォルクスワーゲンモータースポーツ。11月にチーム加入が決まって以来、序盤苦戦したヤリマティ・ラトバラも、アクロポリスではVWでの初勝利を挙げるなど上り調子だ。
62回の開催のうち、52回をフィンランド人が制しているラリーフィンランドは、北欧人が絶対有利というジンクスがあるが、VW陣営は、ラトバラとコドライバーのミーカ・アンティラ、アンドレアス・ミケルセンのコドライバーであるミッコ・マルックラと3人のフィンランド人を擁するほか、ミケルセン自身もノルウェー出身と、クルー構成としては「北欧チーム」と言え、このジンクスに大きな期待と自信を寄せる。
ラトバラは、2010年に初の母国勝利を挙げており、好調のポロR WRCで2度目の勝利を狙う。「雰囲気の点で言えば、ラリーフィンランドは選手権の中でベストのラリーだ」とラトバラ。「モンテカルロのように伝統があり、ラリードライバーなら一度は勝ちたいラリーだ。完璧なジャンプやドリフトを決めるためには、完璧なラインを取らなくてはならない。もちろん、レッキでそれを正確に見定めることも重要だ。勝ちたいなら、105%で攻めなくてはならないところもあるよ」
一方、ドライバーズ選手権では、チームメイトのラトバラに64ポイント差をつけての首位に立っているセバスチャン・オジエは、コドライバーのジュリアン・イングラシアと共にフランスの出身。「もちろん、今季が終わるまでずっとリードを守っていきたいね」と語る。
「選手権争いで大差をつけることができたので、サマーブレイクはゆっくりできたよ。フィンランドでもアタックしていきたい。ポイントのこともあるけど、フィンランドでの初勝利を狙っているよ。大好きなラリーだ。フィンランド人ドライバー、特にチームメイトのラトバラは手強いけどね。フィンランドには、恐ろしく高速のクレストやブラインドコーナーがたくさん出てくるけど、フィンランド人はこうしたコースに慣れている。今年はまたオウニンポヤもルートに含まれる。このステージをWRカーで走るのは初めてだから、とても楽しみだ」