全日本ラリー選手権第5戦モントレーin群馬(ターマック)は7月27日、群馬県渋川市の渋川市総合運動公園を拠点に開幕。 この日は、Akagi、Miyama、Harunaの3本の林道ステージに加え、ラリーパークが設置される渋川運動公園でのショートSSを組み合わせての10SS・63.639kmが設定された。
前日の夕方にはラリーエリアの天候が急に悪化、豪雨に加えて雹も降り出す不安定な気候に。この日も、午後から局地的な雨が予報されていたため、各ドライバーはタイヤ選択に頭を悩ませることとなった。一方、拠点となる渋川市総合運動公園では、昨年同様にラリーパークが展開され、飲食・自動車関連商品のブースが立ち並ぶほか、ステージ企画、SS観戦と、一日中ラリーを満喫できる演出が施された。
ラリーは午前8時に、渋川市総合運動公園をスタート。セレモニーでは強い日差しが照りつけたものの、開幕SSでの路面は水が残るトリッキーなコンディションとなった。SS1のAkagi(6.603km)で首位に立ったのは、選手権リーダーとして今戦を迎えた奴田原文雄。昨年のこのイベントでも勝利を飾っている奴田原は、SS5まで首位を握る。
一方、ここのところスロースターターの流れが続いているチャンピオンの勝田範彦(スバル・インプレッサWRX STI)は、苦手としているショートSSでリズムがつかめず苦戦したが、その後の林道ステージから調子を上げ、SS6では奴田原を逆転して首位に浮上する。しかし、この後のサービスを挟み、ラリーパーク隣接で行われたショートSSでは、JN3クラス頃から雨が降り出す。雨はその後、局地的な豪雨が繰り返したため、スタート順によってコンディションに大きな差がつくことになってしまった。林道1本目のSS8ではベストタイムを刻んだ勝田だったが、SS9で奴田原に13.5秒のビハインドを喫し、再び首位を譲ることになった。競技はこの後、天候不順によりSS10がキャンセル。奴田原が首位で初日を折り返した。勝田は10.4秒遅れの2位。3位には地元群馬県在住の柳澤宏至(スバル・インプレッサWRX STI)が続いたが、奴田原まで48.7秒差と、ウェットになってから差が広がった。
激戦区のJN3では、今ラリーでスバルBRZをデビューさせた鎌田卓麻が好走。1週間前に完成したばかりのラリー車でショートSS・1回目の走行では、クラスベストをマーク。ウェットになってからタイムを落とし、3位に後退したものの、それまで激しい2位争いを展開するなど健闘した。一方、首位は選手権リーダーの横尾芳則が安定した速さを発揮。2位に三好秀昌がつけ、上位3台をFR車が独占している。
JN2では、チャンピオンの天野智之(トヨタ・ヴィッツ)が、SS8でリタイアする一方、4年ぶりに全日本戦に登場した群馬スペシャリストのひとり、石田雅之(トヨタ・ヴィッツ)が初日を首位で折り返すなどこちらも波乱含みの展開。JN1は、難波 巧(マツダRX-8)が首位に立っている。