7月30日(日)、WRC第9戦ラリーフィンランドの競技最終日デイ4が、フィンランドのユバスキラを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRCがWRC初優勝を達成した。また、ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC)は総合3位でフィニッシュし、自身初のWRC表彰台を獲得。前日メカニカルトラブルでデイリタイアとなったヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC)は、ラリー2規定により再出走し総合21位で完走を果たした。
競技最終日のデイ4は、2本のステージを各2回走行する、4本計33.84kmという短いSS距離で争われた。デイ3終了時点でトップに立ったラッピは、落ち着いてペースをコントロールする余裕をみせリードを最後まで守りきり、WRカーでの参戦4戦目にしてWRC初優勝を飾った。また、デイ3で総合3位につけていたハンニネンは、最終日にライバルとの激しいポジション争いを展開し、最終的に2位と僅か0.3秒差の3位で走り切り、自己ベストとなる3位表彰台を獲得した。また、この日再出走を果たしたラトバラは、4本のSSのうち3本のSSでベストタイムを記録し、総合21位でラリーを終えた。
ヤリスWRCは全25SSのうち、18のSSでベストタイムを刻み、13のSSで1-2タイムをマーク。そして、1-2-3タイムも1回記録するなど、フィンランドの高速グラベル路で、事前の評判通りの高いポテンシャルを示した。チーム総代表の豊田章男は、この結果を受けて次の声明を発表した。
豊田章男(チーム総代表)コメント全文
「私どもTOYOTA GAZOO Racingにとってホームラリーと言えるラリーフィンランドでラッピ選手が優勝という最高の結果を残してくれました。応援いただきましたファンの皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。ラッピ選手にとって、初のWRCクラスでの表彰台、それも地元フィンランドで一番高い位置に立つという結果を一緒に祝うことができ、これ以上の喜びはありません。また、ハンニネン選手も自己最高の成績となる3位を獲得してくれました。ヤリスWRCはメイン開発ドライバーであった彼無しには生まれていません。おめでとう!と共に、ありがとう!の言葉も彼に送りたいと思います。車両トラブルによりラトバラ選手には悔しい想いをさせてしまい、申し訳なく思います。しかし彼が最終日に見せてくれた走りは、何があっても最後まで全力で走りきるというラリードライバーの意地を感じるものでした。本当に頼もしく感じます。開催地のユバスキュラの地は単にホームタウンというだけでなく、我々のWRCプロジェクトにとって、大変ゆかり深い地です。3年前、ラリーフィンランド観戦のために、この地を訪れ、チーム代表のトミ・マキネンと、“もっといいクルマとはなんだろう?”と語り合い、クルマに乗りました。そして、我々は、ラリーを通じて、もっとクルマを学んでいこう…もっといいクルマを作っていこう…そのためにWRCに挑戦しよう…と意気投合し、このプロジェクトが始まりました」
「その時から、マキネン代表以下、チーム全員がこの地で“ドライバーが理想とするクルマ”、“思いっきり走らせることができるクルマ”をつくろうと頑張ってきました。このフィンランドの道で鍛えてきたヤリスWRCだからこそ、3台とも素晴らしい走りをすることができたのだと思います。日本でテレビを通じて観戦していましたが、表彰式で青空の下にフィンランド国旗と日の丸がはためく中、両国の国歌を聞けたことに大変感激いたしました」
「学びの年はまだ続きます。あと4戦、これからも世界の道が我々に沢山の課題を与えてくれると思います。その中で、チーム全員が一丸となって、ヤリスWRCを鍛えていければと思います。今後とも応援、よろしくお願いいたします」