WRCフィンランドでは、WRカーの経験が少ないエサペッカ・ラッピ、テーム・スニネンとフィンランドの若手が大活躍を見せた。いずれもWRC2で経験を積んできた次世代フライングフィンの筆頭株だが、TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、トミ・マキネンは、WRCにステップアップのための部門が構築されていることが、この成長株の育成に貢献していると賞賛の姿勢を見せたという。wrc.comが伝えた。
現在26歳のラッピは、昨年のWRC2チャンピオン。トヨタ・ヤリスWRCでの4度目の参戦で、衝撃的なWRC初勝利を挙げたばかりだ。一方、23歳のスニネンも、最終SSの1本前でミスをするまでは2位につける大健闘を見せたが、2017年スペックのフォード・フィエスタWRCでの参戦は、わずか2度目だった。
マキネンは、このふたりの若手がWRC2で経験を積んできたことが、成長を大きく後押ししており、WRカーマシンでスキルをファインチューニングする適切な地盤を形成することに貢献していると考えているようだ。
「エサペッカとテームには、大きな未来が期待できる。そういう意味では、現在のラリーマシンのヒエラルキーは非常にいい」とマキネン。
「WRC2は若手ドライバーにとって、最高のトレーニング基盤となっている。見事な規定だと思うし、(FIAが)今後大きな変更なく、こうした規定を続けることを願っている。以前のグループNのような存在だが、遥かに優れている」
しかし、ラッピのフィンランドでの勝利が、即座に今季以降のラリーでも成功を続けることにはつながらないとの警戒感は緩めない。
「サルディニア、ポーランドで、彼に期待ができることは目にしてきた。初めてWRカーでの参戦だったが、フィンランドでは大きなサプライズを起こすだろうとかなり確信していた」とマキネン。
「他のラリーで彼がもう勝てる状態なのかはまだ分からない。しかし、フィンランドで勝ったことで、2段抜かしでステップアップした」