近年稀に見るタイトル争いとなっているWRCで、マニュファクチャラーズ選手権首位につけるMスポーツは、今週開催されるWRCドイツで予想される激しい戦いに向けて気合い十分だ。チームは、意外にもドイツ戦だけは勝利を逃しており、チーム代表のマルコム・ウィルソンのモチベーションも、ひときわ高まっているようだ。
「ラリードイツはこれまであまり相性がよくなく、唯一勝ったことのないイベント。でも今年は、いい結果をつかむ最高のチャンスが訪れている」とウィルソン。
「チームのドライバーはこれまでドイツでいい結果を出してきているし、セバスチャン(オジエ)はドイツで3回優勝を経験しており、勝ち方を知っている」
そのオジエは、シトロエン時代の2011年、フォルクスワーゲン時代の2015年、そして昨年と3回ドイツを制覇している。
「ラリードイツは毎年楽しみにしているが、今年は選手権争いがとても接戦になっているので、最高にエキサイティングなイベントになるだろう」とオジエ。
「舗装に戻るのはいつでもいいものだし、ドイツは最もチャレンジングな舗装路面のステージが待っている。難しいラリーだし、しっかりとしたイメージを持っていなくてはならない。そして、様々な性格の路面に対応するセットアップだ。今年は、新しいステージも多いので、さらに面白くなりそうだ。フィエスタは今年、舗装での挙動がとてもいいので、ジュリアンも自分もとても楽しみにしている」
オィット・タナックは、SWRCに参戦した2011年のドイツで、部門優勝を経験している。タナック自身は舗装はあまり得意としていないが、今年はいいペースを見せている。
「自分が好きなのは高速グラベルかもしれないが、舗装への挑戦も楽しみにしている」とタナック。
「モンテカルロ、コルシカでの自分たちのペースを思えば、ドイツでどこまでできるかとても興味深いし、好リザルトを目指さない理由はない。ドイツは、舗装戦の中では好きなイベント。どのステージも同じではないし、どんどん変わっていくコンディションにどれだけ迅速に対応できるかが試される。歴史が語るように、ラリードイツでは何が起こるか分からない。自分のベストを発揮して、選手権でチームのリードを広げることに専念する」
前戦フィンランドでは、見事2位に食い込んでいるエルフィン・エバンスは、ドイツと相性がよく、ベストリザルトは2014年の4位。この時は、自身初めてパワーステージも制している。
「ラリードイツはカレンダーの中でも好きなイベントで、これまでもいい結果を出してきた」とエバンス。
「天気も非常に重要な要素で、ウェットになれば状況は面白いことにもなる。新しいステージも多いからね。フィンランドでいいリザルトを出したばかりなので、ドイツでもこの勢いを維持していきたい」