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FIA、転倒時の安全性向上を模索

 

 FIAインスティテュートが、転倒時におけるラリーマシンの安全性向上を目指したテストを行った。先週のWRCサルディニアで起きたマッズ・オストベルグの転倒で懸念が持ち上がったため。

 オストベルグは金曜日の夜間に行われたこの日最終のSS8でクラッシュ。フォード・フィエスタRS WRCはダメージの修復のためにロールケージのAピラー部分を取り除き、交換しなくてはならなかった。

 FIAインスティテュートはロールケージの当該部分と、使用されている素材に注目した。

 今回のテストでは、異なる素材を使用した4種類のロールケージが使われた。テストの工程では、4台のインプレッサのラリー車が潰されたが、代わりに貴重なデータが収集できたといい、場合によっては人命を救い得る結果になるかもしれない。

 この調査グループには、プロドライブのテクニカルディレクター、デビッド・ラップワースも参加。ラップワースは「我々が再現したクラッシュは、真剣ではあるが、ひどすぎるわけでもない。転倒後、時速30kmほどの衝撃で車両が地面に打ち付けられ、すべての荷重がAピラーの上部に集中するように試した」と状況を説明した。「マシンが転倒した場合、時には崖から転落し屋根で着地することもあるからね」

 FIAインスティテュートのコンサルタント、アンディ・メラーは「ロールケージは頑強であるべきか、衝撃を吸収するべきか? 現実としてはその両方がバランスよく備わっているべきだ。しかし、金属は素材の傾向としてそうした機能には向いていない。頑強になるか、伸縮性があるかのどちらかにしかなれないのだ」と語った。

 「いま我々が調査しているのは、ロールケージ内で続発する不備だ。例えば、三角バーに不備が出た場合、ケージの構造的な強度が低くなる場合がある。このため、これらの接続部分をより伸縮性か応用性のあるものに変えれば、接続部分がより曲がることで、全体の強度をそのままに維持することにつながるかもしれない」



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