ERC第6戦バルム・チェコラリー・ズリン(ターマック)は競技最終日となる8月27日、3SSを2ループする6SS、95.12kmの競技が行われ、地元チェコのチャンピオンで元ERCチャンピオンでもある、ヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアR5)が、総合優勝を飾った。コペッキーは同イベント6度目の優勝で、今季のERCでは6人目のウイナーとなった。
前日、アレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)との激戦を展開していたコペッキー。16.6秒差をつけての首位で迎えたこの日は、ルキヤナクが5月のテストでクラッシュした際に負傷した右足の痛みで、思うようなブレーキングができずペースがあがらない一方で、コペッキーはミスのない走りでリードを守り切った。
「本当に素晴らしいバトルだったし、最高の仕事をしてくれたチームに感謝している」と自身とシュコダの母国ERC戦を制して喜びを見せたコペッキー。
「初日はアレクセイとのバトルがあって、とにかくトリッキーだった。彼は体調が100%でなくても、見事な結果を残した。チェコの国旗やチェコのファンがたくさん見えるこのラリーの光景は、本当に格別だ」
総合3位には、チェコの強豪ロマン・クレスタが入賞した。同じくチェコ出身で義理の兄弟にも当たるトマス・コストカと最終SSまでポディウムを争った激闘に対して、コリン・マクレー・フラットアウト・トロフィーも贈られた。
選手権リーダーのカエタン・カエタノビッチ(フィエスタR5)は、前日の8位からこの日巻き返して、5位でフィニッシュ。選手権争いではリードを広げている。
一方、ERCジュニア・アンダー28では、マリヤン・グリエベル(ファビアR5)が今季3勝目を飾り、今季2戦を残した段階でタイトルを確定させた。前日、11秒差の2位で追っていたヤン・チェルニー(ファビアR5)は、SS12でパンクによりタイムロスを喫した。グリエベルには、タイトルの特典として、2018年にWRCのヨーロッパ戦にWRカーで参戦する権利が与えられる。
ERC2では、前日トップのティボール・エルディ(三菱ランサーエボリューションX)が、SS12で右フロントタイヤをパンクするものの、リードを死守し、今季2勝目をマークした。
ERCジュニア・アンダー27では、アレクサンダー・ザワダ(オペル・アダムR2)が、前日からのリードを維持し、今季初優勝。タイトル争いでも首位に浮上した。
ERCズリン 最終結果
1 J.コペッキー(シュコダ・ファビアR5) 1:56:15.2
2 A.ルキヤナク(フォード・フィエスタR5) +55.5
3 R.クレスタ(シュコダ・ファビアR5) +1:22.8
4 T.コストカ(シュコダ・ファビアR5) +1:25.8
5 K.カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5) +2:06.4
6 M.グリエベル(シュコダ・ファビアR5) +2:08.3
7 M.コキ(シュコダ・ファビアR5) +2:31.4
8 P.バロウセク(シュコダ・ファビアR5) +2:51.6
9 B.マガリエス(シュコダ・ファビアR5) +3:24.5
10 B.ブフィエ(フォード・フィエスタR5) +3:30.8