英国、オールド・ワーキング・サービスステーションの元オーナー、ロン・ヒックスが、ダットサンの国際的なラリー活動初期の思い出を胸に逝去した。享年88。
あまり名の知られていないオールド・ワーキング・サービスステーションだが、1969年の終わりにヨーロッパでトップレベルのラリーにダットサンのSSSクーペモデルで挑むことを決意。ロンドンの南西部、サリーにあるヒックスのダットサンを扱うディーラーを拠点に選んだ。ここは、英国でラリー車のテスト作業を行うには数少ない理想的なロケーションであるバグショットのテストコースにも近かった。
家族経営の同社は、ダットサン240Z時代のワークス活動に携わり、様々なダットサンのゲストドライバーを走らせた。その中には、トニー・フォール、ラウノ・アルトーネンなどもおり、彼らのマシンのプリペアや参戦運営を求められるようになると、本業を閉めてこれに専念した。
ヒックス自身は、ヨーロッパのラリー界で参戦活動を始めようとケニヤからやってきたシェカー・メッタ(写真右。左は1973年スコティッシュラリーにメッタと参戦した筆者。このラリーには苦い思い出がある)にとっても大きな支えとなった。
(Martin Holmes)