現在、WRCにワークス参戦するメーカーは、シトロエン、フォード、VWの3メーカーのみだが、現行のWRCカーのホモロゲーションは今年いっぱいとなっており、2014年からは新規定のマシン投入が見込まれていた。
このため、後発のVWがFIAに対し、現行型を維持するよう働きかけた。VWのチーム代表、ヨス・カピートは「今後のためには、選手権の参入チームのレベルを維持するためには何がベストなのかを話し合った」とコメント。「これらすべてのことを鑑み、現行型を維持するのが最善策だという結果にたどり着いた」
VWは既に改良型ポロR WRCの開発に着手していたが、カピートは2015年までこのモデルを実戦には投入しないことを決断した。
「この決断を歓迎するよ」とはMスポーツ代表のマルコム・ウィルソン。「私にも、(シトロエンのチーム代表)イブ・マトンにとっても、後押しになることは言うまでもない。大金を投入することなく来年も競技力を維持する自信はある。今回の決断で、選手権の門戸は広がる。本音を言えば、フォードの本格支援が復活しない限り、我々は新ホモロゲーションの開発を手がけることはできない」
FIAは、FAXによる投票を行い、来季末まで現行型WRカーのホモロゲーションを凍結することを確定した。