世界ラリークロス選手権第10戦は9月16日、ラトビアのリガでファイナルが行われ、ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ)が5連勝をマーク。この結果、今季あと2戦を残した時点で、クリストファーソンのドライバーズ選手権タイトルが確定した。また、クリストファーソン、ペター・ソルベルグを擁するPSRXスウェーデンも、チームズタイトルが確定。今季の目標としていた、ドライバーズ選手権とチームズ選手権のダブルタイトル獲得を達成した。
今季、9度目のポディウムに上がったことになるクリストファーソンは、これで5連勝と、前戦で樹立した世界RXでの連勝記録を更新した。
「最高の気分だし、5連勝なんてとにかく信じられない」と語るクリストファーソンは、現在28歳。世界RXのチャンピオンは、ペター・ソルベルグ(2014、2015年)、マティアス・エクストローム(2016年)に続いて3人目。
「2013年からずっとタイトルを目指してがんばってきた。事態を飲み込むまでには、しばらくかかりそうだ」
クリストファーソンは、この優勝をチームメイトのソルベルグ、父であるトミー・クリストファーソン、そしてPSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンというチームのおかげだと語る。
「父がレースをしていた頃、ずっと父について回っていた。ほとんどのレースに自分を連れていってくれて、家族チームとしていつも一丸となって取り組んでいた」と自身の背景を語るクリストファーソン。
「PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンは、ペターとパニラ(・ソルベルグ)が先頭に立って家族のような雰囲気を作り出してくれるので、僕らとの息もピッタリだった。ペターは、素晴らしいチームメイト。僕らはどんなに小さなことについても、熱心に取り組んでいた。お互いにプレッシャーを掛け合いながら、僕は彼の卓越した知識にも助けてもらった。彼は自分を心から受け入れてくれた。ペターとチームのみんなが支えてくれたことに、感謝している」
世界タイトルを獲得したことについては
「この週末に世界チャンピオンになるとは思っていなかった。ペターがファイナル進出を逃すまでは、まったく考えていなかった。その頃になって、やっと、もしかしたら可能性があるかもしれないと考えた。自分は戦う男だし、ずっと世界チャンピオンになりたいと思っていたから、夢が実現した。この最高の瞬間を経験できたことは、みんなに感謝してもし尽くせない」
そのチームメイトであるソルベルグは、中間リザルトで4番手につけてセミファイナル進出は果たしたが、第1コーナーでの衝突に巻き込まれ、赤旗に。ソルベルグは病院に搬送され、レントゲンの結果、鎖骨の骨折が確認された。
ファイナルの2位はマティアス・エクストローム、3位にはセバスチャン・ローブが入った。
前年度チャンピオンのエクストロームは、新しい世界RX王者の誕生を祝福した。
「最高の走りをした者が勝つにふさわしいといつも考えている。ヨハンは今年、コース上で最高のドライバーだということを証明した」とエクストローム。
「ヨハンのことは、すごく小さな頃から知っている。彼のことをとてもリスペクトしているし、ヨハンのファインティング・スピリットは父のトミーを受け継いでいる。今回は、彼らと激しい優勝争いができる手応えを自分には感じることができなかった。ここからは、選手権2位を目指してセバスチャン(ローブ)やペターとのバトルに挑む。チームとしては、4台のアウディがすべてセミファイナルに進出したことは、よかった。トッピ(ヘイッキネン)はセミファイナルではアンラッキーだったが、結果としては僕らもいい強さを見せられた週末になった」
ドライバーズ選手権4位につけるローブは、これで5戦連続のポディウムフィニッシュとなった。
「前日は少し苦戦していたが、夜の間にセットアップが決まり、Q4でトップタイムをマークすることができた。今日はいい流れだったし、まだポディウムに上がれて最高の気分だ。ヨハンはお見事だった。今季はミスがまったくなく、素晴らしいシーズンを送っていた。世界タイトルに本当にふさわしい」
世界RXラトビア ファイナル結果
1 J.クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ) 5:06.673
2 M.エクストローム(アウディS1クワトロ) 5:09.038
3 S.ローブ(プジョー208) 5:10.592
4 A.バックラッド(フォード・フォーカスRS) 5:11.207
5 J.バウマニス(フォード・フィエスタ) 5:16.726
6 N.ミューラー(アウディS1クワトロ) 5:27.649