トヨタは9月19日、東京で記者発表会を行い、新たなスポーツカーシリーズ「GR」を投入することを発表した。これまでスポーツカーの楽しさを提供することをコンセプトに展開してきたスポーツコンバージョン車シリーズ「G Sports(通称G’s=ジーズ)」を、今後は「GR」シリーズに一新。車両ラインアップやパーツ等の新アイテムを充実させるとともに、走ることを通じてクルマを楽しむ文化を育てる取り組みを強化していくという。
GRシリーズの最上位に位置するヴィッツ“GRMN”(写真はプロトタイプ)は、2018年春ごろ発売予定。搭載される1.8Lエンジン+スーパーチャージャーユニットは最大出力210PS以上、最大トルク250Nmを発生する。車重は1,140kgになるという。専用フロントスポーツシート、ザックス製ショックアブソーバー、各部ブレース追加、GRロゴ付専用メーター、BBS軽量鍛造アルミホイール、小径ステアリングホイール、LSD(リミテッド・スリップ・デフ)などを装備する。
(以下、発表リリースによる概要)
「GR」は、「もっといいクルマづくり」を目指すGAZOO Racing Companyが、ニュルブルクリンク24時間耐久レース(ドイツ)や、全日本ラリーなどのモータースポーツ活動を通じてクルマと人を鍛え、そこで得た知見やノウハウを注ぎ開発した新しいスポーツカーシリーズ。モデル体系としては、エンジン内部にもチューニングを施した数量限定販売の「GRMN」を頂点に、GRMNのエッセンスを注ぎ込んだ量販スポーツモデルの「GR」、ミニバンなどにも設定し、気軽にスポーツドライブを楽しめる「GR SPORT」を設定する。 また、カスタマイズを楽しめるアフターパーツ「GR PARTS」も設定。走りの機能を追求するパーツとして、将来的には機能系アイテムも導入する計画である。
「GR」シリーズの第一弾として、ヴィッツに「GR」と「GR SPORT」を、プリウスPHV、ハリアー、マークX、ヴォクシー、ノアに「GR SPORT」を設定し、全国のトヨタ販売店を通じて9月19日に発売した。また、今後ヴィッツに「GRMN」、86に「GR」、アクアとプリウスαに「GR SPORT」を追加し、ヴィッツGRMNは2018年春ごろ、86“GR”、アクア“GR SPORT”、プリウスα“GR SPORT”は今冬に発売する予定。
さらに、「GR」シリーズの投入に合わせ、スポーツカーやモータースポーツを軸に、幅広いお客様にクルマの楽しさを広めることを狙いとしたTOYOTA GAZOO Racingの地域拠点「GR Garage(ジー・アール・ガレージ、以下GRガレージ)」を順次、立ち上げる。「GRコンサルタント」と呼ばれる専任スタッフを配置し、地域のクルマファンが楽しめる活動を実施するなどの基準を満たした販売店と共に、2017年度中にGRガレージ39店舗をオープンさせる計画。
GRガレージは「町いちばんの楽しいクルマ屋さん」をコンセプトに、「クルマファンがまた来たくなる、ずっと居たくなるお店づくり」、「クルマファンに愛される人づくり(人財育成)」、「クルマファンがもっと走りたくなる場づくり」に取り組み、クルマを楽しむ文化を醸成していく。
なお、これまで全国に展開してきた「AREA86」については、2018年3月末までに全店を閉店する。
【GRシリーズの主要装備】
<デザイン>
モータースポーツでの「戦闘力」を最大限に引き出すための機能をダイレクトに表現
[エクステリア]
・走るための機能をストイックに追求した水平/垂直の「Functional MATRIX」グリル
(ヴィッツ、 プリウスPHV、アクア)
・ホワイト塗装+GRロゴ入りのブレーキキャリパー(ヴィッツ“GR SPORT”を除く)
・専用エンブレム(全車:前後、サイド)
[インテリア]
・専用スポーティシート(GRロゴ入り)
・ドアトリム、フロントシート等にスポーティさを演出した専用加飾やシルバーステッチ
・GR専用スタートスイッチ(HVはパワースイッチ)