WRCフィンランド、ドイツと不発に終わったヒュンダイ・モータースポーツ。今週開催のWRCスペイン戦では、選手権争いへの勢いを取り戻したい構えだ。
チームは今回も3台のi20クーペWRCを投入するが、そのドライバーには、タイトルコンテンダーのティエリー・ヌービル、地元スペインのダニ・ソルドに加え、初めてアンドレアス・ミケルセンを起用する。
ヒュンダイは過去にスペインでは好成績をマークしており、2015年には3位、2016年は2−3位とダブルポディウムを達成している。今年のスペイン戦に向けては、9月にテストを2回実施、3クルー全員が、ターマックとグラベル、両方の路面を走行した。エアロダイナミクスパッケージに行ったアップグレードには、新しいフロントバンパーとリヤウイングも含まれている。
初めてヒュンダイからのWRC参戦に臨むミケルセンは、先日2018年から2年間の契約が発表されたばかり。自身初のWRC勝利を挙げているスペインでは、新しいマシンでもすぐにペースをつかみたいと考えている。
「ヒュンダイ・モータースポーツのドライバーとしてのデビューを飾れることを、心からうれしく思うよ」とミケルセン。
「発表以来、(コ・ドライバーの)アンデルスと一緒に、両方の路面でマシンをテストする機会に恵まれた。マシンはすでに多才であることを示していた。そんなマシンの性格を披露する場として、スペインは最高だ。自分にとっても、2015年に初勝利を挙げた、思い出深いラリー。このチームから出場する初めてのWRC戦だが、トップ争いをしていきたいね」
一方、ドライバーズタイトルのチャンスを残しているヌービルは、ここからの終盤3戦は一瞬も気を緩めることができない。去年のスペイン戦ではポディウムに上がっているほか、今季はフランス、アルゼンチン、ポーランドと3勝をマークしており、首位セバスチャン・オジエとの17ポイント差を少しでも詰め、3位オィット・タナックとの16ポイント差を広げていきたい。
「選手権が重要な局面を迎え、しっかり集中して、残り3戦では優勝できなくともポディウムは狙っていかなくてはならない」と気合いを入れるヌービル。
「オジエ、自分、タナックとの順位は、一瞬で入れ替わりかねない微妙な差。ブレイクの間にしっかり休養したので、力強くタイトル争いをしていきたい」
母国戦を迎えるソルドは、2015年、2016年とスペイン戦でポディウムに上がっており、今週末はハットトリックを目指す。
「母国のスペインにラリーで戻ってきて、情熱にあふれた大勢のサポーターの前で戦う機会が得られるのは、いつでもうれしいものだ」とソルド。
「グラベルでの初日の走行順は有利だと思うので、その後、残りの2日間のターマックでしっかり今季3回目のポディウム、スペインでの3年連続ポディウムを狙っていきたい」