TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにて欧州でトレーニング中の勝田貴元、新井大輝が、10月5-8日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・スペインのWRC2部門にフォード・フィエスタR5で参戦。勝田・サルミネン組は初日にデイリタイアするも部門14位で完走、新井・マクニール組はリタイアとなった。
勝田、新井にとって今シーズン5戦目のWRCイベントであるラリー・スペインは、デイ1のグラベル(未舗装路)とデイ2、デイ3のターマック(舗装路)からなるWRC唯一のミックスサーフェスラリー。二人にとっては新たな挑戦でもあり、また本プログラムでの今シーズン最後のラリーとして、これまでのトレーニングの成果を発揮する集大成の場となるはずであった。
しかし、勝田はデイ1最初のSS1でコーナーを曲がりきれずガードレールにヒット。同ステージは走りきり、ステアリングアームの損傷は修復したものの、パワーステアリングのダメージにより走行継続を断念。SS2を前に早くもデイリタイアとなった。ラリー2ルールによりデイ2から再出走可能となった勝田は残る二日間、経験を最大限に得るために、完走を最重要視した丁寧な走りを貫き、部門14位でラリーを終えた。
一方、新井はSS1、SS2でトップ3のタイムを記録するなど、スタートから良い走りを見せていたが、SS3でコースオフ。車両の損傷が大きく、リタイアを余儀なくされた。
なお、今シーズンの本プログラムの活動はここで一旦終了となる。来年以降のプログラムについては、検討の上、決まり次第発表する。
■勝田貴元
「SS1の中盤、滑りやすいコーナーでガードレールにヒットしてしまいました。損傷が想像以上に大きかったため走行継続を断念しました。ペースノートに問題はなく、「ダブルコーション(要注意)」と入れていたのですが、少しスピードが速すぎて十分に落とすことができませんでした。翌日再スタートしてからは、経験を得るために残りのステージを走りきることだけを考え、ミスのない走行に徹しました。もう少し攻めた走りができなかったことは残念ですが、完走し、多くのことを学べてよかったと思っています」
■新井大輝
「SS3に、ペースノート上で2つの似たコーナーが続いている箇所がありました。(英語での聞こえ方が似ているので)「ショートライト」と「フォーライト」を混同してしまい、コーナーに速すぎるスピードで入ってしまいました。その結果、バンクにヒットし転倒しました。このような小さな事でラリーが終わってしまいとても残念です。ですが、このミスの前までは、ラリー・スペインの経験があるドライバーたちに対して自分のスピードがとても良く驚きました。これまでなら、ラリーの最初からすぐに競争力のあるスピードで走ることができなかったので、自分の成長を感じることが出来ました」
■ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「今回のラリーでは望んでいた結果が得られませんでした。プログラムは順調に進んでいましたが、ドライバー達にとってはプレッシャーが大きすぎたようです。彼らはプレッシャーに打ち勝つことを学ばなければなりません。新井は最初とてもよいステージタイムを出していましたが、二人ともあまりに早くラリーが終わってしまいました。勝田は再出走してからは完走へのプレッシャーで自然な走りができず、残念ながら今回のラリーでは両選手とも多くを得ることができませんでした。ですが、シーズン全体としては非常に良いシーズンだったと言えます。プログラムはうまく機能しましたし、両クルー、特にドライバーは非常な努力をし、大きく成長しました。良いことも、悪いこともありましたが、全ての経験を通し学び続けなければなりません」
ラリースペイン WRC2部門結果
1. Teemu Suninen/Mikko Markkula (Ford Fiesta R5) 3:09:43.8
2. Jan Kopecky/Pavel Dresler (Skoda Fabia R5) +31.8
3. Benito Guerra/Daniel Cue (Skoda Fabia R5) +4:38.9
4. Juuso Nordgen/Tapio Suominen (Skoda Fabia R5) +5:15.7
5. Simone Tempestini/Giovanni Bernacchini (Citroën DS3 R5) +5:17.8
14. Takamoto Katsuta/Marko Salminen(Ford Fiesta R5) +1:08:50.4
R. Hiroki Arai/Glenn Macneal (Ford Fiesta R5)
(チームリリース)