ERC最終戦ラリーリエパヤ(グラベル、ラトビア)は10月8日、競技最終日となるレグ2を走行。3SSを2ループする6SSが設定されたが、SS11はキャンセルとなった。前日首位に立った20歳の若手、ニコライ・グライジンは、17歳の新星カッレ・ロバンペラとの激戦を制し、ERC初優勝。さらに、ERCジュニア・アンダー28部門でも初優勝とWウインを果たした。
「本当に素晴らしい誕生日プレゼントになったよ」と語るグライジンは、前日に20歳の誕生日を迎えたばかり。今季8戦で構成されたERCだったが、グライジンはシーズン7人目のウイナーとなった。
「限界ギリギリまで攻めた場所もあった。カッレは本当に速かったので、いいバトルの末に勝つことができて、うれしい」
一方、4人がタイトルの可能性を残していたERCジュニア・アンダー27部門は、クリス・イングラムがトップフィニッシュを果たし、賞金10万ユーロを獲得。イングラムには、R5マシンでの来季のERCジュニア・アンダー28への参戦権が与えられる。昨シーズンは、僅差でERCジュニアタイトルを逃していたイングラムだったが、これでステップアップに絶好の機会を得たことになる。
「初めて参戦したERC戦は、4年前のこのラトビアだった。それ以来ずっと、このタイトルを狙ってきたので、それが叶ったことはこれまでで最高の出来事だ」と語るイングラムは、ERC3のタイトルも獲得した。
「この4年間は、この瞬間を迎えるためにほぼ毎日を費やしてきた。やっと、それが報われた。ステップアップするための賞金を獲得したので、できるだけ早く地元に戻り、来年、ERCにフル参戦できるように話し合いを始めたい」
ERC2では、世界ラリークロス選手権でも活躍する地元ラトビアのレイニス・ニッティスがトップフィニッシュ。選手権争いでは、ティボール・エルディが、4ポイント差でタイトルを獲得した。また、チームズ選手権では、カストロール・フォード・チーム・トルコが、ACCRチェコ・チームを退けてのタイトルを決めた。
ERC初参戦で注目を集めたカッレ・ロバンペラは、前日首位のグライジンに18.3秒差でこの日を迎えた。最初の2本でベストタイムを連発して、その差を10.1秒にまで詰めた。しかし、翌SS10ではグライジンがベストタイムで応戦。ここが、グライジンが「限界ギリギリで攻めた」と表現した場面だった。日中サービスを迎えた時点で、両者の差は17.2秒。翌SS17は、一般のヘリコプターがステージフィニッシュでクラッシュするアクシデントが発生したために、走行がキャンセル。SS12はグライジンが制して、19.7秒差で最終ステージを迎えた。ここでロバンペラがベストタイムを叩き出したものの、グライジンとの差を詰め切ることができなかった。
一方、前日にERC3連覇が確定していたカエタン・カエタノビッチは、自身の理由によりラリーリタイアとなった。
ERCラトビア 最終結果
1. N.グライジン(シュコダ・ファビアR5) 1:19:22.1
2. K.ロバンペラ(フォード・フィエスタR5) +18.5
3. L.ハバイ(フォード・フィエスタR5) +2:52.8
4. J.シュアレス(プジョー208 T16) +3:00.9
5. A-T.タクシ(シュコダ・ファビアR5) +5:32.3
6. R.ニッティス(三菱ランサーエボリューションIX) +6:15.1