和製スーパー1600、世界へ
2001年に導入されたスーパー1600規定にあわせ、スズキ/スズキスポーツが送り出したイグニスは、APRCを経て勇躍WRCの舞台へとその駒を進める。参戦3年目でJWRCチャンピオンマシンとして君臨し、その後も進化の手をゆるめなかった。参戦当初からの目標であるワールドラリーカーへの道のりをゆっくり、しかし着実に進んでいったスズキ。多くのプライベーターに愛されたイグニス/スイフトが世界に刻んだ歴史をたどる。
Rally Cars Gallery
JWRC参戦から3年目、勝負のシーズンとなった2004年。開幕戦のモンテカルロに姿を現したイグニスS1600の姿はお世辞にも戦闘的とは言い難いものでした。しかしその、一見実用車的な姿とは裏腹に、7戦5勝という圧倒的な強さを発揮しライバルを駆逐。JWRCを黄色に染め上げることに成功したのでした。
PLAYBACK the Rally Scene 2001-2010
目に覚めるようなイエローを纏い、空気を震わせるハイトーンなサウンドを奏でたスズキのスーパーS1600マシン。それはヨーロッパの路地裏に、峻険なアルプスの山並みに、荒れ果てた原野に響き、多くのファンの心をつかみました。
Interview with Key Person 田嶋伸博
若き頃から変わらぬクルマへの情熱がスズキを動かし、JWRCへの挑戦を実現させた。その行動力がなかったら、黄色いS1600の快走が心に刻まれることはなかったでしょう。今は電気自動車に夢を馳せる立役者が、激動のWRC挑戦期を語り尽くしました。
強さの秘訣
参戦3年目で結果を残し、それ以降も進化の手を緩めずJWRCを席捲するまでの勢力を誇るようになったスズキ。その裏にはたゆまぬ開発と、ほかにない強みを活かしたスズキならではの取り組みがありました。
スズキに捧げたラリー人生 パー・ガンナー・アンダーソン
持ち味のスピードが評価されて2004年に陣営に加わり、いきなりJWRC王者に輝く。その後もイグニスからスイフト、SX4と乗り継ぎ、WRC挑戦車のすべてに乗った。キャリア全盛期のほぼすべてをスズキで過ごした“P-G”が戦いの日々を振り返ります。
イラストで見る、スズキ・イグニス/スイフトS1600全記録
02年シーズン、APRCに続きJWRCに登場したイグニスS1600。04年には5ドア仕様、05年にはスイフトS1600と矢つぎ早にニューマシンを投入。9年に及ぶ参戦で、3度のJWRCタイトルを獲得しました。