TOYOTA GAZOO Racingは、10月26日(木)から29日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテン(ラリーGB)に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。秋季のイギリス、ウェールズは降水確率が高く、雨水を含むとグラベル(未舗装路)はぬかるみ非常に滑りやすくなる。トリッキーな路面コンディションでもドライバーが自信を持って走れるクルマを作り上げることを目標に、チームは今季最後の欧州イベントに挑む。
ラリーGBは、かつてRACラリーという名で開催されていた、長い歴史と伝統を誇るグラベルラリーである。以前はイングランド、ウェールズ、スコットランドとイギリスの広い範囲が戦いの舞台となっていたが、現在はSSの大部分がウェールズ内で行われる。丘陵地帯や森林地帯のグラベルSSは、ドライコンディションならばかなり高速なステージだが、秋のウェールズは降水量が多くウェット路面となる事が多い。そして、雨を含んだグラベルは泥状となり非常に滑りやすくなる。そのため、他のグラベルラリー以上に高いコントロール性がクルマに求められる。また、雨だけでなく、濃霧や、雹(ヒョウ)の可能性もあるため、選手は悪天候による障害にも対応しなければならない。
ラリーのサービスパークはウェールズ北東のディーサイドに置かれ、SSは北部から中部にかけての広いエリアとイングランドに展開する。競技は26日(木)夜に、ウェールズ北部の競馬場で行われるショートSSでスタート。翌日27日(金)のデイ2はメイヘリン、スウィートラム、ハフレンといった歴史的なSSがウェールズの中部で行われる。28日(土)のデイ3は、デイ2よりもやや北側のエリアが舞台となり、途中のSS14はイングランドの古城がコースとなる。そして競技最終日の29日(日)デイ4は、ウェールズ北部で5本のSSが行われる。4日間で21本のSSを走行し、その合計距離は304.36km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1183.74kmとなる。
■トミ・マキネン(チーム代表)
「私にとって現役最後のシーズンだった2003年、その最終戦となったラリーGBでは、コリン・マクレー選手と表彰台争いをした。なので、このラリーには個人的に素敵な思い出がある。ラリーGBのSSは、見た目よりも路面のグリップ力が高いことが多く、速く走るためにはクルマに対し十分な自信を持つ必要がある。また、雨や霧にもうまく対処しなければならない。前戦ラリースペインの後、我々は今までとは少し違うアプローチを見つけたので、それが今回どのように作用するのか楽しみだ。ラリーの事前テスト時は通常よりも暖かい気候だったが、本番にそれほど大きな影響はないだろう。最終的にクルマを道の特性に合わせ込むことができるかどうかが重要だ。ラリーに向けて、きちんと準備が整っていると思っている」
■ヤリ-マティ・ラトバラ
「イギリスは私がラリードライバーとしてのキャリアをスタートした場所で、ラリーGBは初めて出場したWRCイベント。なので、イギリスは第2の故郷のように感じている。ラリーGBには、メイヘリンやディフナントなど素晴らしい歴史的なSSがあり、とても楽しみだ。最近のラリーではクルマにいくつか技術的な問題が生じたが、チームは既にそれらを完全に解決済みであると確信している。今季残る2戦で良い結果を残して、この素晴らしいシーズンを終えられることを願っている。シーズン序盤の数戦は手強いラリーだったが、シーズン終盤のラリーよりもクルマに対しては幾分優しかったのではないかと思う。今年はチームにとって参戦初年度であり、我々はまだ常に多くのことを学んでいる」
■ユホ・ハンニネン
「ラリースペインで自分たちが成し遂げた結果に満足しているので、自信を持ってラリーGBに臨むことができる。自分にとっては今年最後のラリーとなるため、とにかく楽しんで走りたい。最後にラリーGBに出場したのは2014年だったが、幸いにも大部分のSSは以前と変わっていない。ウェールズでの実戦経験は十分とはいえないが、ずっと好きだったラリーなので、良い戦いができればと思う。特別なプランはないが、これまでうまくいった時のように、SSごとにペースを上げていくつもりだ」
■エサペッカ・ラッピ
「事前のテストはうまく行った。しかし天気はとても奇妙で、冬用のジャケットと帽子を持って行ったが、ホテルを出ると気温は22度もあった。ラリーGBのSSは雨で湿り泥に覆われていることが多いが、それでも自分たちが行ったテストはきっと役に立つはず。濃い霧が出ると一気に難易度が上がるので、そうならないといいのだが。テストではサスペンションのセッティングを少し変え、それ以外にも、ラリースペインで得た教訓に基づく改良をいくつか施した。その結果、大きな進化を果たすことができたと思う。ラリーGBに対しては基本的に良いフィーリングを持っているので、SSを走るのが楽しみだ。そして、最終的によい結果でフィニッシュできればと思う」
(チームリリース)