10月27日(金)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテン(ラリーGB)のデイ2の競技がイギリスのウェールズ中部を中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(トヨタ・ヤリスWRC)が総合10位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタ・ヤリスWRC)が総合11位となり、ヤリスWRCは全車がデイ2を走破した。
森林および丘陵地帯を舞台とする本格的なグラベル(未舗装路)ステージの初日となったデイ2は、ディーサイドのサービスパークから南に遠く離れたウェールズ中部で3本の伝統的なSSを各2回走行。このラリーでの実戦経験が少ないハンニネンとラッピは、夜間に降った雨で非常に滑りやすくなった難コースに苦戦を強いられた。特に森の中のコースは路面のグリップレベルが刻々と変わり、どれくらい滑るのか予想をすることが難しい。加えて、デイ2は日中のサービスが設定されず、タイヤ・フィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで1日を走りきらなければならなかった。しかし彼らは大きなミスをすることなく6本計119.32kmのSSを走行し、明日のデイ3に駒を進めることに成功した。また、過去に2回優勝経験があるラトバラは、やはり滑りやすく困難な路面に苦労しながらも経験に裏打ちされた安定感のある走りを続け、総合5位でデイ2を終えた。1日の走行が終了した後、チームはドライバーと改善策を話しあい、デイ3でのポジションアップを実現するためクルマにセッティング変更を施した。
トミ・マキネン(チーム代表)
「とても困難な1日となった。天気は良かったが、路面は泥状となり非常に滑りやすく、すべてのドライバーが少なからず影響を受けたと思う。我々のパフォーマンスは期待していたレベルには届かず、なぜそうなったのかを理解しなければならない。それでもヤリ-マティは、まだ好成績を狙える位置につけている。明日、全員のドライバーがスピードを上げられるように、サービスで対策を施すつもりだ」
ヤリ-マティ・ラトバラ
「今日の路面コンディションは誰にとっても難しかったと思う。夜中に大雨が降りその後路面は乾き始めたが、内側からの水蒸気によって、より一層滑りやすいコンディションとなってしまった。午前中はアンダーステアに悩まされ、自信を持って攻めることができなかった。しかし、リグループでセッティングを少し変えたところ、依然としてトラクション不足は感じるもののクルマはかなり良くなった。5位という現在の順位は決して悪くはないが、明日に向けて状況をさらに改善できると期待している」
ユホ・ハンニネン
「とても難しい1日だった。路面コンディションはトリッキーになるだろうと予想し、今朝は一体どれくらいグリップが得られるのか予測しながら走ったが、コーナーごとにグリップレベルが変わり、リズムをとるのは至難の業だ。午後は決して悪いドライビングではなかったと思うが、それでもタイムは良くなかった。明日、自信を持って走るためにはどのようにセットアップを変えたら良いのか、慎重に考えて対策を施すつもりだ」
エサペッカ・ラッピ
「グリップ不足の状態で走り続け、まったく満足できない1日だった。今朝は自信を持って走ることができなかったが、良いペースで走れなければ自信も得られない。今日最後のステージでは全力でアタックしたが、それでも良いタイムが出なかったということは、きっとセットアップに何か間違いがあるのだと思う。今後に向けての改善課題と捉え、グリップを高めるためにサービスで変更を施したい」
WRCラリーGB SS7終了時点暫定リザルト
1. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) 1:09:20.9
2. オィット・タナック(フォード・フィエスタWRC) +24.6
3. セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +26.8
4. ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +37.1
5. ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +41.9
6. クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC) +42.0
7. アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +52.0
8. ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:13.9
9. ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:22.9
10. ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +1:43.5
11. エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +1:50.0
チームはFacebookにデイ2ハイライト動画を公開している。