WRCオーストラリアのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。ラリーGBでタイトルを決めたオジエ。注目されるのは来季以降の去就だが、決断については話すことはできないとしながらも、99%は心に決めていると明かした。
●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(MスポーツWRT)
クレイグ・ブリーン=CB(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
Q:セバスチャン、今季最終戦だが、ウェールズでドライバーズタイトルを決め、安心してここを迎えたか。
SO:とてもいい気分だ。緊張から解放されて、よりリラックスしている。イベントの後の数日は楽しめた。張り詰めたシーズンだったし、プレッシャーが軽減されたのはいい気分だ。プレッシャーは好きだし、人生の一部だが、リラックスできるのもいい。
Q:ウェールズのフィニッシュでは感無量だったようだが、周囲は将来のことも憶測を持ったのでは。
SO:とても強い感情だったし、説明できないような喜びだった。感情をコントロールすることはできないが、純粋に喜びを感じていたし、今季のターゲットを達成できたうれしさでもあった。今年はチャレンジングな状況になると分かっていたし、だから感極まった。自分が何を考えていたかについては、ノーコメント。正直、駆け引きをしているわけではないし、この状況は好ましくはないが、どうなっているかを話すことはできないんだ。
Q:将来についての決断には達したか。
SO:決断はした。99%、と言っておく。
Q:いつ聞かせてもらえるのか。
SO:もうすぐだと言ったラリーがどこだったのか、覚えていないがかなり前のことだ。あえてここまで何も言わなかったわけじゃない。モンテのエントリー締め切りまで1ヶ月なので、リストを見れば分かる。
Q:今年最後の優勝に向けて、戦いの準備はできている手応えはあるか。
SO:もちろん。興味深い戦いになる。先頭スタートは厳しくなると分かっている。シェイクダウンでも見た通りだ。簡単ではないが、今回はプレッシャーがない。リラックスしているし、攻めていきたい。
Q:クレイグ、少し間が空いた参戦だがラリーの準備は万全か。
CB:パースにいる家族を訪ねて日差しを浴びていたので、バッテリーは満タンだ。
Q:このコフスハーバーでの参戦は初めてだ。ここまでの印象は。
CB:ヤリ‐マティから、ナンブッカの有名なことを教えてもらって少し怖くなったよ。
SO:そうだね、でもWRC+の映像で見ただろう!
CB:確かに。先週、家族のところで何度もインターネット動画を見た。レッキで見た感じでは、最も美しいラリーの一つだと言えるね。ナンブッカのようなステージを抜ける時は、まさに冒険しているような感じになる。道の性格もいいが、冒険している気分は、他のイベントでは感じられないものだ。
Q:このイベントに向けての自信はどうか。
CB:いいよ。ラリーGBで、間違いなく自信が高まった。いい速さを見せることができた。初日は浮き沈みがあって、金曜日の午後は本当に下らないミスをしてしまった。それでも、それまでは首位ともあまり離されていなかった。ウェールズは、ここのコンディションとは対照的だが、マシンは急速によくなっている。シェイクダウンではフィーリングはよかったが、実戦とはまた違う。全力を尽くすよ。
Q:来季については。
CB:「フル」という言葉は使いたくない。何戦(に参戦する)かは分からないからだ。自分に何が言える? まずはクリスマスにぐっすり寝るよ、と言っておこうかな。この先にはいいプログラムが待っていることは分かっている。とにかく、一点一画もおろそかにしないということだ。
Q:ヘイデン、ヤリ‐マティは金曜日が山場になると言っているが、同感か。
HP: 新しいステージは超高速で、ほとんどが林の中だ。鍵になる一日になる。でも土曜日も、砂利掃きをしなくてはならずタフだ。ナンブッカでは、先頭走行になる必要はない。もしそうなれば、ラリーは終わったも同然だ。
Q:厳しいシーズンになったが、このラリーに向けて自信は取り戻せたか。
HP:まだ、時間はかかる。スイッチを切り替えるようにはいかない。このラリーに専念して、とにかく楽しみたい。タイムを気にしないでいくと思う。いい週末になるよう、努めて行くよ。
Q:来季については。
HP:自分が分かっていることは、おそらくフル参戦にはならないだろうということ。まだ話し合いが続いているので、どうなるかはこれから。
Q:ヤリ‐マティ、シェイクダウンはどうだったか。
J-ML:よかったよ。トップ3タイムだったし、いい気分だ。しばらく(トップ3による)記者会見に出席していない。フィンランドが最後だ。厳しいイベントもあったが、また自信を感じている。なぜ苦戦していたのか、原因を解明できた。
Q:何が理由だったのか。
J-ML:ウェールズではトラクションに不満を伝えていたが、サスペンションに何か問題があることに気付き、改善した。説明するのは難しい。絵で書かないと。ダンパーのインサートに関することだが、みんなが理解するとは思えないよ!
Q:トヨタのデビューシーズンが終わりに近づいているが、好リザルトでフィニッシュすることはできるか。
J-ML:一般的な話で言えば、いい年だった。素晴らしい滑り出して、スウェーデン終了時点では選手権首位に立ったが、春は厳しくなると分かっていた。メキシコとアルゼンチンではECUのトラブルがあったが、それでもポーランドまではコンペティティブだった。そこから、テクニカルなトラブルに直面した。一年の間に起こるだろうと予想していたが、シーズンの中盤で起きた。でも、そこから学んだし、再発はしない。これで2018年に向けて整う。オーストラリアをいいリザルトで終えられれば最高だね。
Q:最後に、全員に今シーズンのハイライトを挙げてもらいたい。
SO:この質問はいつも答えるのが難しい。ハイライトを一つ選ぶのは簡単ではないが、間違いなくGBは高ポイントだ。でも、自分はいつでもモンテカルロに高い点数をつけている。母国戦だし、事実上準備なしで勝てたことは、自分には特別だ。
J-ML:自分はスウェーデンだ。ここで勝ったからね。でもフィンランドの土曜日は、あそこでフィニッシュして欲しかった。あの日の午前は、これまでにないほどベストのパフォーマンスだった。でも、午前だけだけど。
HP:ポーランドでのポディウム。でも、それ以降はあまりない。
CB:この新しいマシンに乗るチャンスを得たことと、コルシカのドライの道をすべて走りきったこと。人生で一番素晴らしい経験の一つだった。