11月19日(日)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦ラリーオーストラリアの競技最終日となるデイ3が、オーストラリア東海岸のコフスハーバーを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位でフィニッシュした。総合2位につけていたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC)は最終SSでコースオフ。完走を逃したが、ドライバーズ選手権4位でシーズンを終了。トヨタは18年ぶりのWRC復帰初年度にシーズン2勝を記録。マニュファクチャラーズ選手権3位でシーズンを締めくくった。
ラリーオーストラリアの競技最終日となるデイ3は、サービスパークが置かれるコフスハーバーの北側で4本のSSが行われた。本来は5本のSSが予定されていたが、午前中に強く降った雨により路面コンディションが悪化しSS20はキャンセル。また、豪雨の影響でグラベルの多くが泥濘(でいねい)化し、非常に滑りやすい路面状態となった。デイ2で総合9位に順位を上げたラッピは、SS17とSS18で2番手タイムを記録し、トップ5タイムを記録した選手にボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」のSS21でも3番手タイムをマーク。最終的には上位陣のリタイアもあり、総合6位でフィニッシュした。一方、1位と20.1秒差の2位でラリーをスタートしたラトバラは、優勝を目指し難しいコンディションとなったSSを果敢に攻めた。SS18では1位と9.9秒差にギャップを縮めたが、その後ふたたび差は拡大。ラトバラは最後まで優勝を諦めず最終SSにも攻めの姿勢で臨んだが、コースオフにより競技続行は不可能となりリタイアで今年最後のラリーを終えた。
■トミ・マキネン(チーム代表)
「このような形でラリーが終わるとは、誰も予想していなかったと思う。が、同時に我々の今シーズンの結果を予想していた人もいなかったはず。我々の活躍を支えてくれたドライバー、コ・ドライバー、そしてチームスタッフ全員に心から感謝します。オーストラリアは、今年我々が出場したイベントの中で、もっとも複雑なラリーのひとつだった。 まず金曜日に問題が発生し、それを解決した。エサペッカは、土曜日と日曜日を不利なスタート順で走ることを強いられた。そして今日、ヤリ-マティはフィニッシュ目前でリタイアと、本当に大変なラリーだった。しかし、今日の残念な結果が、我々が今シーズン成し遂げた事の価値を下げるようなことはない。全体的には素晴らしいパフォーマンスを発揮できた1年だったと思う。とはいえ、決して気を緩めている訳ではない。我々は既に、来年に向けて全力で仕事を進めている」
■ヤリ-マティ・ラトバラ
「もちろん、このような形でシーズンを終えたくはなかったが、これもまたラリーというスポーツだ。今は前向きな気持ちになれなくとも、すべての経験から学べる事はあり、決して無意味ではないと思う。パワーステージではチャンスを求めて全力でアタックしたが、全開で走ればこのような事も起こり得る。リタイアする前までは良い戦いができていたし、今朝も序盤は1位との差を縮めることができた。しかし、結果を残すことができずチームに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだ。今年、チームは自分の予想を大きく超える素晴らしい体制を整えてくれた。心から感謝をしている」
■エサペッカ・ラッピ
「大変な1日だった。午前中、突然大雨が降りあちらこちらに水溜まりができた。昨日に引き続き今日も1番最初にSSをスタートしたが、水溜まりでクルマはまるで船のように動き、まったくコントロールが効かない状態だった。それでも、何とか最後まで走りきることができてほっとしている。そして、昨日我慢してソフトタイヤを今日のために数本とっておいたこともあり、それにも助けられて良い走りができたと思う。今回の収穫は、このラリーでの経験を十分に積み、どのようにドライブしたら良いのか分かったこと。シーズンを振り返るとスピード自体は十分にあったと思うが、ややアップダウンが大きく、それが自分の課題であると理解している。来シーズンの開幕を心待ちにしている」
■WRCラリーオーストラリア結果
1. ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) 2:35:44.8
2. オィット・タナック(フォード・フィエスタWRC) +22.5
3. ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC) +59.1
4. セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +2:27.7
5. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) +3:05.6
6. エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +3:49.5
7. クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC) +22:58.4
8. ネイサン・クイン(三菱ランサーエボリューションX) +25:03.4
9. リッチー・ダルトン(シュコダ・ファビアR5) +25:39.6
10. ディーン・ヘリッジ(スバル・インプレッサWRX STI) +29:52.3
R. ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)