TOYOTA GAZOO Racing WRTは11月23日、東京都内のトヨタ自動車東京本社にてWRC2017年シーズン報告会を開催した。
会場には、チーム代表のトミ・マキネン、フルシーズンでドライバーを務め、第2戦のスウェーデンでトヨタ・ヤリスWRCにWRC初優勝をもたらしたヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組が出席した。
会の冒頭には、GAZOO Racingカンパニーのプレジデント、友山茂樹氏が登壇。
「参戦発表時は、クルマの設計図どころか、どこに拠点を置くのか、誰が何をするのかも決まっていなかった」と今だから明かせる秘話を披露した。
「豊田章男が一貫して主張し続けたのは、トミ・マキネンを信頼しろ。マキネンからクルマ作りを学べということだった。マキネンからは、容赦なくエンジンに対するリクエストが飛んできた。マキネンチームとトヨタは、一心同体となってすべてのタスクをこなしてきた」
「2017年の目標を聞かれる度に、今年は学びの年、1メートルでも多く走りたいと語ってきた。1シーズンを終え、滑り出しは出来過ぎの内容だったが、以降は苦しい戦いが続いた。フィンランドで勝利を飾り、自分も表彰台に上がったが、君が代が流れて、周りの人々が祝福してくれるのを見て、やっとWRCの1プレイヤーとして認めてもらえたと、感激のあまり涙した」
「トヨタのWRC復帰を心待ちにしていただいたファンのみなさん、日ごろからご尽力いただいている関係者のみなさまに、心から感謝申し上げます」
その後は、チームスタッフのトークセッションに移った。WRC復帰で指揮を執ったマキネンは、チーム代表としての初シーズンを振り返り、「タフな一年だったが、プラン通り多くの情報を収集し、今後に向けての分析が行えた。ハイライトはもちろん モンテカルロやスウェーデンでの活躍は忘れられない。その後、フィンランドでは母国でのパフォーマンスにはかなり自信があったが、素晴らしい結果につながった。全体的に一年を終えて、ここにいるみんなに笑顔があるので、よかったと思う」とコメント。
来年に向けての期待としては
「全体としてコンペティティブになれると思う。より一貫したリザルトが出せるよう、準備をしている。チーム一丸となって、ヤリ‐マティとエサペッカは、モンテカルロのSS1から全開で挑んでもらえるよう、準備をしていきたい」
第2戦のスウェーデンでトヨタ・ヤリスWRCに初優勝をもたらしたラトバラは
「スウェーデンでの優勝は予想していなかった。新しいマシンでの新シーズンだったので、学びの一年になると思っていた。ただ、スウェーデンで6日間テストを行ってしっかり準備をした。とても高速のラリーだが、ヤリスWRCはとてもいい走りをしてくれた」
パワーステージでのフルアタックについては
「とてもエキサイティングなステージだった。スタートではとても緊張していたが、ステージの前に、トミがそのまま行けと言ってくれた。終わった時の気分は最高だった。今年は一貫性が足りなかったが、マシンも自分のドライビングも格段によくなっている。来年はマニュファクチャラーズとともに、ドライバーズタイトルに向けて戦っていきたい。」
ポルトガルでWRカーデビューを果たし、母国戦となった4戦目のフィンランドで衝撃的な初勝利を飾ったエサペッカ・ラッピは
「もちろん、とても特別な瞬間だった。WRカーで母国フィンランドを勝つという夢が、初優勝で叶った。日曜日、ラスト2つ前のステージでミスをしてリムを破損し、最終ステージ前はとても緊張した。とてもエキサイティングな時間だった。来年は、フィンランドでの連覇も狙いたいが、よりコンスタントにリザルトを出していきたい」