フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ポロGTI R5の初テストをフランスのフォンジョンクーズで実施した。テストドライバーのディエテル・デッピンと、WRC2チャンピオンのポンタス・ティデマンドが、3日間に渡りグラベルと舗装の両路面を走り込んだ。このポロGTI R5は、カスタマー向けに開発されている270馬力のラリーマシンで最新の第6世代のポロがベースとなっている。
「初テストが成功裏に終わったことはいい兆しだし、モチベーションが高まる」とフォルクスワーゲン・モータースポーツのディレクター、スベン・スミーツはコメント。
「最新のカスタマーレシングプロジェクトには、コンピューター上でのデザイン作業とワークショップ、何日も時間をかけてきた。このポロGTI R5は、ようやく道の上での性能を見せられるようになった。これで、さらに開発を進めるための貴重なデータを収集することができる」
テストはまず、3.85kmの舗装路にてドライコンディション下で行われ、気温10度近辺の中でセットアップ作業が実施された。その後、高速とワインディング区間の走行を交互に繰り返し、タイヤ、ブレーキ、エンジン、冷却システムの耐久性のテストが行われたという。その後の2日間はグラベルで行われ、シャシー、ダンパー、サスペンションを試した。
テストの現場は、ポロには馴染みのあるエリアで、2011年にはフォルクスワーゲンがポロR WRCの初テストを行っている。そのマシンがその後、WRC4連覇を果たしたことは周知の通りだ。今回のテストドライバー、デッピンは、当時もそのマシンでテストを行った。
「6年前、ポロが初めてラリーの冒険に乗り出したこの場所にまた戻ってくるのは、特別な気分」とデッピン。
「今回は、新たなポロGTI R5のできる限りベストなセットアップを得るための作業。初テストは、エンジニアに出来る限りのデータを取らせるために走り込むことが課題だった。今は、ひとつのことが言える。R5ポロはとても素晴らしいし、とても速く正確だ。乗ってすぐに、居心地の良さを感じたよ!」
フォルクスワーゲンは、この新型ポロGTI R5でカスタマーレシングプログラムを拡大していくとしており、プロフェッショナルチームや、国内戦のほかWRC2のような国際シリーズに参戦することのできるドライバーに向けて供給される。供給開始は、2018年後半を予定しているとのことだ。