ダカールラリー2018年大会は1月10日、ステージ5に設定されたサン・ホワン・デ・マルコナ‐アレクイパ間を走行。走行距離は、カーとトラックが932km(SS:267km)、バイクとクワッドが770km(SS:264km)だった。
ダカールラリー2018年大会は、この日もコンペティターに容赦はなく、WRC9連覇を誇るセバスチャン・ローブがペルーの砂丘の餌食となった。前日、ベストタイムをマークしていたローブは、この日、ソフトな砂に覆われたステージを先頭で走行。しかし、ローブのプジョー3008DKR Maxiは砂漠の穴にはまって動きが取れなくなり、コ・ドライバーのダニエル・エレナも衝撃により負傷したことから、リタイアを決めた。
一方で、チームメイトのステファン・ペテランセルはこの日も経験を活かした絶妙な走りを見せ、総合リードを広げチーム・プジョー・トタルに朗報をもたらした。同じくチームメイトのカルロス・サインツとシリル・デプレは、トップペースに追いつくことはできなかったものの、堅実にこの日を走り切りビバークに帰還。サインツは、ペテランセルに31分遅れの総合2番手につけている。
また、総合3位に浮上したのはトヨタのベルナルド・テン・ブリンク。ステージ2番手のタイムをマークする大健闘を見せた。
トヨタ・ガズーレーシングSA勢にはフラストレーションのたまる一日となった。ジニール・ドゥビリエとナッサー・アルアティヤがそれぞれ3番手、5番手タイムをマークしたものの、首位を走るペテランセルとの差を縮めることはできなかった。
Xレイド勢も不運が続いた。前日の不運に対応したオーランド・テラノバ(MINIジョン・クーバー・ワークス・ラリー)は、6番手タイムで総合12位に浮上。しかし、ヤクブ・ライゴンスキーと、MINIジョン・クーバー・ワークス・バギーで参戦するミッコ・ヒルボネンは砂丘でスタック。特にヒルボネンは、走行に復帰するまでに1時間以上を費やしてしまった。
大会6日目は、アレクイパ‐ラ・パス間の758km (SS:313km)を走行。走行中にペルーの国境を越えて、ルートはボリビアに突入。山脈に入って行きながら、速度も上がっていく。この日2つ目の計測セクションは、チチカカ湖のほとりからスタート。標高2500mでの走りに対応していかなくてはならない。この日を終えると、コンペティターたちはボリビアの首都ラ・パスで休息日を迎える。
主要ドライバーコメント
セバスチャン・ローブ(#306)「とてもややこしいスタートだった。砂はとてもルーズで、マシンはとにかく砂丘を上がれそうになく、20分くらいでスタックしてしまった。その後、走り始め、みんなの跡をついていくことができたので、助かった。クレストで他のマシンがストップしていたところに来たが、停車する必要はなかったので、上って行く途中で彼を避けようとしたら、クレストの向こうに視界に入らなかった穴があった。そこに、ハードに打ち付けた。どうしようもなかったので、引っ張ってくれるトラックを待っていた。この衝撃で、ダニエルはかなり痛みを感じていた。痛みがひどくならないようにこのステージはかなり速度を落としてフィニッシュしたが、ダニエルが負傷したのでリタイア以外、選択肢はなかった」
ステファン・ペテランセル(#300)「特に問題はなかったが、非常にトリッキーだった。この砂丘は、ラリーが始まって以来、一番難しかった。セブとカルロスは、あっという間に砂にスタックした。彼らに近寄ることができなかったから、助けようがなかった」
カルロス・サインツ(#303)「とても複雑なステージで、もっとロスしたかもしれない。今日の内容には100%満足はしていないが、まずまずの順位でフィニッシュしたし、総合順位でもいい位置につけている。この流れを続けて行き、ドラマが起きないままラ・パスに到着したいね」
シリル・デプレ(#308)「戦いに残っていられれば、いつでもハッピーだ。この2日間で、これが一番ポジティブなこと。埃と夜とプレッシャーの中で、疲労困ぱいの10時間を過ごした。パワーステアリングが効かず、寝不足の中で、リードを吐き出した。セバスチャンとダニエルが止まっていたところで10分ほど停車し、彼らを助けられるかどうか考えてみたが、手の出しようがなかった。昨日の疲れが残り、2つめのSSでは冷静さが欠けていた。最終的に、マシンにダメージなく安全に戻ることを選んだ。それでも、ステージは8番手でフィニッシュした。この2日間は、将来に向けて大切な経験になった」
ナッサー・アル‐アティヤ(#301)「いいステージだったが、僕らは不運にも見舞われた。ギアボックスが破損し、ステージを走り切れたのはラッキーだった。修復してフィニッシュし、いまここにいる。ここからの9日間に向けて、必死で取り組んで行かなくてはならない。今日はセバスチャンのようにたくさんのリタイアが出たからね。まだ先は長い。ステージをフィニッシュしなくてはならないので、リスクを負わない適切な速さで走っている」
ジニール・ドゥビリエ(#304)「最初のセクションの砂は、驚くほどソフトだった。5台がスタックしたところで、僕らもスタックした。抜け出せる場所を探し、タイヤの空気を0.5バールまで抜いて脱出した。フィニッシュ直前には、パンクもあった。これ以上ないくらい、本当にタフな砂丘だった」
ダカール2018年大会 ステージ5終了時点結果
1 S.ペテランセル(プジョー)13:27:26
2 C.サインツ(プジョー) +31:16
3 B.テンブリンク(トヨタ) +1:15:16
4 N.アル‐アティヤ(トヨタ) +1:23:21
5 G.ドゥビリエ(トヨタ) +1:34:34
6 S-K.アルカシミ(プジョー)+1:46:48
7 E.アモス(2WDバギー) +2:01:57
8 J.ライゴンスキー(MINI) +2:16:43
9 M.プロコップ(フォード) +2:17:27
10 P.シレイヨル(バギー) +2:58:22
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12 O.テラノバ(MINI) +4:03:41
15 M. ヒルボネン(MINIバギー)+4:48:56